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量子アニーリング処理のクラウドサービス、NECがベクトル型スパコン環境から提供

DIGITAL X 編集部
2021年9月10日

量子アニーリング処理を実行するためのクラウドサービスを、NECが2021年11月に開始する。ベクトル型スーパーコンピューター上で必要なソフトウェアを稼働させて提供する。量子コンピュータの概要や使用方法などの教育サービスも用意する。2021年9月1日発表した。

 NECが2021年11月に開始する「NEC Vector Annealing サービス」は、量子インスパイア型のシミュレーテッドアニーリングの利用サービス。NECが研究・開発を進める量子アニーリング処理に適した独自アルゴリズムを組み込んだソフトウェアを、同社のベクトル型スーパーコンピューター「SX-Aurora TSUBASA」上で動作させてクラウドサービスとして提供する。

 NECの独自アルゴリズムは、実用場面において課される様々な制約条件を利用し、組み合わせ最適化問題に対する解の探索範囲を絞り込むのが特徴。これを、大容量メモリーでの行列計算が可能なSX-Aurora TSUBASA上で動作させることで、大規模な組み合せ問題を高速で処理できるとする。

 クラウドサービスと併せて、量子コンピューター関連の教育サービスも用意する。(1)基礎コースと(2)実践コースで構成し、前者は、企画やデジタルトランスフォーメーション(DX)推進者が量子コンピューターの概要を、後者はシステムエンジニアがアニーリングマシンのツールや使用方法などを、それぞれ学べる内容になる。

 量子コンピューティングは、複雑化する社会課題に対し、これまで解けなかった問題を高速で解けるとの期待から注目が高まっている。そうした中でNECは、量子コンピューターの実用化に向けた研究を進めている。2020年に「量子コンピューティング推進室」を設置し、量子コンピューティング技術やAI(陣個知能)技術に精通した技術者が、様々な企業の業務課題に対するユースケースを探索している。

 NEC Vector Annealing サービスおよび教育サービスの利用料金は、いずれも個別見積もりである。