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現場での使用を想定したスマホ大のWindows PC、ノートPCメーカーのDynabookが受注開始
現場の作業員が使用するためのスマホ大のWindows PCをノートPCメーカーのDynabookが2021年9月7日から受注を受け付けている。本体にある5つのボタンキーでWindowsアプリケーションを操作する。現場でデータを処理するためのAI(人工知能)ソフトウェアなども併せて提供する。同日に発表した。
ノートPCメーカーのDynabookが受注を開始した「dynaEdge DE200」は、基本ソフトウェアに「Windows 10 Pro」を搭載する小型PC(図1)。大きさはおよそ縦197×横85×高さ20ミリメートル、重さは約340グラムである。
現場作業時の衝突や落下から保護するために、本体の外周にラバーバンドを備える。米国防総省の「MIL規格(MIL-STD-810H)」に準拠したテストも実施するという。バッテリーで約7.5時間駆動できる。通信機能はWi-Fi規格に対応する。LTE(4G)モバイル通信に対応したモデルは2021年度中に発売する予定だ。
DE200の本体前面には5つのボタンキーがあり、これでWindows 10上で動作する種々のアプリケーションを操作する(図1)。アプリケーションを操作するためのユーティリティーソフトウェア「dynaEdgeコントローラー」を、開発者やシステムインテグレーター向けに用意するSDK(ソフトウェア開発キット)の一部として提供する。
DE200上でセンサーデータなどをAI(人工知能)技術で処理するためのフレームワークとなるソフトウェア「dynabook Edge AIエンジン」もSDKに用意する。エッジコンピューティングのためのデバイスとして利用できる。
dynabook Edge AIエンジンが提供する機能は、(1)対象物に仮想カメラ技術でマーキングする「トラッキング」、(2)カメラのゆれを補正し対象物を中央に表示する「ゆれ補正」、(3)映像の明るさを補正する「明るさ補正」、(4)効果を全画面に拡大表示する「モニター」の4つである。
メガネ型ウェアラブル端末「インテリジェントビューア『AR100』」も同時に受注を開始した。DE200とAR100を組み合わせれば、ハンズフリーでの現場作業が可能になる(写真2)。
具体例として、現場作業者の遠隔地からの支援や、動画マニュアルを使った技術伝承、倉庫でのピッキング作業におけるガイド表示、製造現場でのカメラ映像の解析などを挙げる。
これらを実現するための作業支援サービス「Vision DE Suite バージョン3」も2021年9月7日に発売した。コミュニケーション基盤「Microsoft Teams」(米マイクロソフト製)と連携し、現場の作業工程や作業手順を管理できる。
DE200には、CPUやメモリー容量が異なる3モデルがある(表1)。いずれも指紋センサーや電源ロック機構などは共通だ。
プロセサ(インテル製) | 主メモリー容量 | SSD容量 |
---|---|---|
Core i7-1160G7 | 16ギガバイト | 512ギガバイト |
Core i5-1130G7 | 8ギガバイト | 256ギガバイト |
Core i3-1110G4 |
DE200およびAR100の価格はオープンである。