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プラスチックやゴムなど化学製品のためのAI外観検査システム、ASTINAが発売

DIGITAL X 編集部
2021年9月15日

化学製品の外観検査のためのAI(人工知能)システムを、ハードウェア/ソフトウェアの開発を手がけるASTINAが2021年9月5日に発売した。既存製品に化学製品への対応機能を追加することで、プラスチックやゴム、セラミックスなどの外観を検査できるようにした。2021年9月7日に発表した。

 ASTINAは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムやAI(人工知能)ソフトウェアなどハードウェアおよびソフトウェアの開発を手掛ける企業。外観検査用の自社製品「OKIKAE for AI外観検査」において今回、化学製品に対応するための機能を強化し発売した。プラスチックやゴム、セラミックスなど化学製品の製造現場における自動化・省人化が図れるという。

図1:「OKIKAE for AI外観検査」によるプラスチック製品の凹みや傷などの異常検出の例

 OKIKAE for AI外観検査では、化学製品に対応するために、ランダム模様を持つ材質における判定力を高めているとしている。ランダム模様は、従来のルール定義型の画像処理検査では判定が難しいとされていたという。

 例えば、プラスチック製品であれば、凹みや傷、キズ・ヒケ・タダレ・コンタミなどの異常を検出できる。凹凸や曲面を持つ製品や立体的な製品に対応するための装置も提案できるとする。

 表面が均一ではないゴム製品などにおける傷や流入物を検知できる。仕様としての凹凸や製造過程で使用される印字があっても、それらを区別して異常を検知するという。

 セラミックス素材では、コンタミ・欠け・色ムラなどの検出が可能だ。カメラの変更や調整により、立体形状あるいは光沢を持つ場合でも傷を検出できるとしている。

 発泡樹脂やスポンジ素材においても、黒点やえぐれ・ちぎれを、材質の特長とは区別して検査できるという。

 AI外観検査システムとしては、ソフトウェアだけでなく、装置の導入もASTINAが提案する。メカニクスやロボティクスの専門家が、装置の設計から既存ラインへの組み込みなどに対応する。装置と組み合わせれば、検品作業だけではなく、ライン上での不良品の排出などにも対応できるとしている。

 ASTINAによれば、化学製品の外観検査では、設計通りに作られているかに加え、異物の混入や傷の有無なども厳しく確認される。ただ製品ごとに形状や材質が異なるため工数がかかるうえ、専門性が問われ熟練した担当者が目視で確認しているケースが多い。熟練者の確保と合わせて、作業負荷が高まり過ぎると人的ミスを招きかねない。