• News
  • 製造

需要予測のためのサブスクサービス、PwCコンサルティングが開始

DIGITAL X 編集部
2021年9月15日

サプライチェーン上の計画業務を対象にする需要予測のためのサブスクリプションサービスをPwCコンサルティングが2021年9月7日に開始した。独自に開発した機械学習アルゴリズムにより需要を予測することで、販売、生産、在庫、調達、設備、人員などの各種計画業務を支援する。同日に発表した。

 PwCコンサルティングの「Multidimensional Demand Forecasting(MDF)」は、独自開発した機械学習アルゴリズムによって需要を予測するためのクラウドサービス(図1)。これまではオンプレミス型での提供だけだったが、SaaS(Software as a Service)化を図り、サブスクリプション(年間定額課金)モデルで提供する。

図1:「Multidimensional Demand Forecasting(MDF)」の主な機能

 MDFでは、時系列パターンを捉えにくい予測対象や、新商品やリニューアル品、多品種化/少量化(ロングテール化)している商品など、従来型のアプローチでは予測困難な領域に対応できるとしている(図2)。

図2:MDFのアプローチにより予測可能になるとする範囲

 同時開発した機械学習アルゴリズムでは、負荷が高い学習アルゴリズムに頼らず、処理の高速・高精度化を図ることで予測精度を高めているという。在庫過多を防ぐと同時に、欠品の発生も抑えられ、顧客への即納率/サービス率の改善や、フードロスの削減などに貢献できるとしている。コネクテッドデータなど新種のデータにも対応する。

 MDFと利用企業のシステムとは、ファイルのやり取りで連携させる。独立性が高く、需要予測担当者の業務オペレーションを変更することなく導入できるとしている。

 PwCコンサルティングによれば、需要予測には多くの企業が取り組んでいるが、データが潤沢にある量産品や、定番品の一部、時系列パターンが顕著な受注・出荷・販売に対する予測が主流で、手法も移動平均などシンプルなものに留まっていた。

 それが最近は、デジタル化や消費者の購買行動や需要構造の変化、天災やパンデミックの影響など、事業を取り巻く環境が複雑化していることから、従来型アプローチで予測できる範囲は、ますます限定的になっている。