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スマートシティ/スーパーシティのための「都市OS」サービス、NECが提供へ
スマートシティ/スーパーシティにおける各種サービスの実行に必要な共通機能を提供する「都市OS」のクラウドサービスの提供を、NECが2021年度下期から順次開始する。観光や医療・福祉、防災といった分野別の課題解決に向けた機能のほか、分野間を横断するサービスやデータの流通を可能にする。2021年9月8日に発表した。
NECが2021年度下期から提供する「NEC都市OS」は、全国の自治体向けのクラウドサービス(図1)。スマートシティや内閣府が推進する「スーパーシティ構想」において開発・提供される都市サービスを実現するための共通機能のほか、対象分野をまたがるデータの流通などを可能にするデータ連携基盤の機能も提供する。
共通機能は、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)として提供する。APIを利用することで、新サービスの開発コストや開発期間を短縮できるとしている。地場企業など種々の企業や組織の積極的な参画を促し、スマートシティなどの立ち上げ、および発展に必要なパートナーエコシステムの形成を支援できるという。
データ連携基盤は、都市OS機能などのためのOSS(オープンソースソフトウェア)である「FIWARE」をベースにしている。個人情報の扱いについては、個人の同意を事前に得るオプトインなどに対応する。OSSが定める技術基準に準拠することで、オープンな形でのデータの分散管理やAPI公開などを可能にする。地域間連携や共同運営などに備え、マルチクラウドにも対応する。
ほかにもAI(人工知能)技術を使うデータ分析や、生体認証を活用する個人認証、ID連携管理、セキュリティなどのインフラ機能も提供する。データ分析では、テキスト含意認識や、群衆行動解析、予測分析の自動化、因果分析などを実施できる。
生体認証では、顔認証のほか、虹彩、指紋、掌紋、指静脈、声、耳音響などによる個人認証を利用できる。ID管理では、サービス利用者の利便性を高めるために、複数サービスのIDを統合できるという。秘密計算やブロックチェーン、AIプライバシーといった技術によるエンドツーエンドでのセキュリティも確保できるとする。
スマートシティ/スーパーシティは、少子高齢化による人口減少やインフラの老朽化、激甚災害の増加など、地域が抱える種々の課題に対し、デジタル技術を使って解決を図る。2020年5月には国家戦略特別区域法の改正法案(スーパーシティ法案)が成立している。
NECは、NEC都市OSを2025年度までに200都市への提供を目指す。