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顧客は実店舗とオンラインが統合された購買体験を求めている、米ゼブラ・テクノロジーズの調査

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年9月16日

コロナ禍で顧客は実店舗とオンラインが統合された購買体験を求めている--。こんな調査結果を、小売り・流通向け製品を開発・販売する米ゼブラ・ テクノロジーズがまとめた。事業者側も買い物客の購買体験を高めるためのテクノロジーへの投資を加速させている。同社日本法人が2021年9月7日に発表した。

 米ゼブラ・ テクノロジーズの『小売業界のテクノロジー改革に関するグローバル調査』は今回が13回目。日本を含むアジア太平洋、北米、中南米、欧州、中東地域において2020年8月から9月に聞き取り調査を実施した。回答は、買い物客4175人、小売店従業員577人、小売業界幹部412人から得た。

 今回の調査はコロナ禍で初めて実施された。調査結果には、買い物客と小売事業者の意識と行動に変化が見られたという。

 具体的には、買い物客は実店舗とオンラインの双方で統合された購買体験を求めている。店舗とオンラインに対する全体的な顧客満足度は、店舗が前年比6ポイント減の76%、オンラインは同5ポイント減の73%だった。

 商品を買わずに店舗を退店する理由については、「商品の品切れ」が41%と最も高く、これに「長いレジの行列」が32%、「商品が見つからない」が31%で続く。

 オンラインに在庫がある商品については、買い物客の約60%がEC(電子商取引)サイトで注文していた。ただし、オンラインで注文した買い物客の5人に1人以上が商品を返品している。従業員の57%が、返品が課題だと回答した。

 一方の小売事業者は、経営者のうち10人中6人がコロナ禍において「テクノロジーへの投資計画を加速した」と回答している。2025年までの投資対象としては、「ワークフォース管理ソフトウェア」や「スマートレジ」、データから最適解を導く「プリスクリプティブ分析」を挙げる。

 実際、モバイルオーダーやセルフレジの利用者は増えている。モバイルオーダーを利用する買い物客は72%に上り、利用者の82%が「今後も利用を継続するだろう」と回答する。セルフレジの利用経験者は47%である。

 小売業界幹部の90%は「モバイルオーダーが買い物客の期待に応えるのに役立つ」とみている。また86%が「セルフレジによって顧客体験が向上する」と回答した。

 今回の調査結果について、ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパン社長の古川 正知 氏は、「小売業界は、コロナ禍における課題を克服し、顧客ニーズに応え、かつてないスピードで進化することを余儀なくされている。日本の小売業者の多くが、急増する買い物客の要求と、ECと実店舗でのシームレスなショッピング体験への期待の高まりに、迅速に対応する必要に迫られている」と話している。