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購買や気象などのデータから需要を予測しマーケティング活動を支援するサービス、電通が開始

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年9月17日

購買データや気象データなどから消費者の需要予測モデルを構築し企業のマーケティング活動を支援するサービスを、電通が2021年9月9日に開始した。広告領域にとどまらず、売上拡大やコスト削減など企業のマーケティング活動全体を支援するという。同日に発表した。

 電通が開始した「ミチシロウ」は、購買データや気象データなどから消費者の需要予測モデルを構築し、マーケティング活動の実行を支援するサービス。需要変化を短期・中期・長期に分けて分析し、変化に応じた効果的なマーケティング施策の実行を可能にする(図1)。

図1:「ミチシロウ」の活用領域と提供できるとする価値の例

 ミチシロウが分析対象にするデータは、購買、気象、広告出稿、テレビ番組、SNS(Social Networking Service)、ユニークな時系列データなど。需要予測の仕組みは、気象状況に応じて商品需要を予測するために日本気象協会と共同開発した「ウレビヨリ」のノウハウを利用して開発した。

 予測結果を元に、需要と関係する影響因子や背景にある顧客の興味・関心を企業や団体の特徴・特性に合わせて読み解き、CX(Custmer Experience:顧客体験)価値を高められるマーケティング機会を探究するという。

 ミチシロウでのマーケティング支援は次の5つのプロセスで実行する(図2)。

図2:「ミチシロウ」の需要予測モデルを利用したマーケティング支援のイメージ

(1)需要予測による新たな機会獲得が期待できる領域の設定
(2)意思決定の確度を高める需要予測の活用方法の設計
(3)業務ニーズを満たす予測モデルの開発
(4)広告販促・サプライチェーンマネジメント(SCM)・店頭・戦略の領域における需要予測モデルの利用
(5)検証を通じた活用領域・活用方法・予測モデルの改善

 電通はミチシロウの提供にあたり、施策領域では電通クロスブレインなどの国内電通グループ各社と連携する。今後も需要予測サービスの領域においてはグループ各社との連携を強化するとしている。

 電通によれば、消費者ニーズが多様化する現代において、企業がより良いCXを提供するために需要が高まるタイミングの把握が重要になっている。ただ「予測モデルに必要なデータが蓄積されていない」「予測データを打ち手に反映するのが難しい」などの課題から、CX向上を目的にした需要予測モデルの導入が困難なのが現状だ。