• News
  • 共通

複数種のサービスロボをVR技術を使って管理・制御するためのシステム、凸版印刷が開発

DIGITAL X 編集部
2021年9月21日

複数種類のサービスロボットを一元管理・制御するためのシステムを凸版印刷が開発した。VR(Virtual Reality:仮想現実)技術を使い、VR空間で設定したコースに沿った動きを実空間で再現する。遠隔操作にも対応する。2021年9月9日に発表した。

 凸版印刷が開発した「TransBots(トランスボッツ)」は、複数種のサービスロボットを一元管理・制御するためのシステム。展示会場などの実空間をVR VR(Virtual Reality:仮想現実)に構築し、VR空間で設定したコースに沿った動きを実空間で再現できるようにする(図1)。ロボットに自律走行の機能を持たせることで、自己位置の推定やコース上の障害物の回避などを実現する。

図1:システム構成図

 用途として、入場制限が必要な展示会やコンサートなどの大規模イベントへの遠隔参加、離島住民へのオンライン医療サービスの提供などを挙げる。サービスロボットだけでなく、搬送ロボットや移動型ピッキングロボット、ドローンなどにも利用できるという。

 TransBotsでは、オペレータは管理画面から、VR空間におけるロボットの走行コースを設定する。VR空間にアクセスできれば遠隔地からも設定できるため、ロボットの遠隔操作も可能になる。VR空間での制御シミュレーションした結果を実空間のロボットに反映することで、複数ロボットの一元管理・制御を実現している。

 TransBotsのVR空間は、リモートワークを支援する「IoA Work」や遠隔体験用デバイスの「IoANeck」、オンライン展示会基盤「V-MESSE」などとも連動できるとしている。

 凸版印刷によれば、少子高齢化を背景に、労働力不足を補うロボットへの期待が高まっている。特に、介護業界の人材不足や、過疎化が進む地方や離島における医師や看護師の不足などへの対策として、遠隔操作が可能なロボットの活用が検討されている。

 加えてコロナ禍で、非接触のコミュニケーションツールの活用が急進しており、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、VRなどの技術を使ったオンラインでのコミュニケーションや仮想体験などへの期待も高まっている。