• News
  • 公共

上下水道管の破損・漏水を対象にしたハザードマップ、米AIベンチャーのFractaが発売

DIGITAL X 編集部
2021年9月22日

上水道管の破損・漏水事故に対するハザードマップを米AIベンチャーのFractaが日本全国の自治体を対象に2021年9月13日に発売した。破損事故リスクをヒートマップ状に可視化した。アセットマネジメントの導入期の簡易支援ツールの1つになるとする。同日に発表した。

 米AIベンチャーのFractaが販売する「管路環境リスクマップ」は、上水道管の破損・漏水事故に対するハザードマップ。自治体職員が上下水道の管路健全度を簡易的に予測評価する際に利用できるセルフ診断キットにある(図1)。2キロメートル四方から250メートル四方まで4段階の粒度で提供する。本格的な調査・診断の前に、管路環境リスクを簡単・迅速に診断・評価できるとしている。

図1:「管路環境リスクマップ」の活用例

 管路環境リスクマップは、各自治体が所有するGIS(地理情報システム)に読み込める。現在の管路図面や、過去の漏水事故記録、他のハザードマップなどと重ね合わせれば、対象地域における漏水事故の起こりやすさ、管路全体の健全性、対策検討の必要性などを可視化できる。

 Fractaは2021年4月、調査レポート『全国自治体における破損確率の推計』において、2キロメートル四方の環境リスクマップを公開した。同リスクマップの購入について多数の問い合わせがあったことから、より詳細な管路環境リスクマップを作成し、有償で提供することにした。先行導入した自治体からは、「新たな視点から得られる気づきや示唆が各種施策の検討に有効だ」と評価されているという。

 Fractaは、市民に持続的に安心・安全な水道を提供するためには管路の長寿命化への取り組みが不可欠であり、そのための最初の一歩として、アセットマネジメントの取り組みへの自治体の理解を深めることが重要だとする。