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LoRa無線によるメッシュネットワーク構築用のSDK、ナシュア・ソリューションズが発売

DIGITAL X 編集部
2021年9月28日

LPWA(Low Power Wide Area)の無線通信規格の1つである「LoRa」を使った広域メッシュネットワークにおける基地局を構築するためのSDK(ソフトウェア開発キット)をナシュア・ソリューションズが2021年10月1日から販売する。スマートシティ/スーパーシティーのエリア情報基盤として提案する。2021年9月15日に発表した。

 ナシュア・ソリューションズの「LoRaメッシュネットワークSDK」は、低消費電力で広域通信を可能にするLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークのための通信規格の1つである「LoRa」を使って、広域メッシュネットワークの基地局を構築するためのソフトウェア開発キット。基地局用ソフトウェア、各種ドキュメント、コンフィグレーターおよびサンプルアプリケーションからなっている(図1)。

図1:「LoRaメッシュネットワークSDK」のソフトウェア構成

 低消費電力で稼働する基地局を分散配置すれば、地震や台風などの被害による停電時でも利用できるネットワークの構築・利用が可能になる。災害時でもインターネットに頼らず、避難所や役所、病院、消防、警察、インフラ保守会社などの間で必要な情報を共有できることから、スマートシティ/スーパーシティーのエリア情報基盤として提案する。

 中核技術となる「NerveNet」技術は、情報通信研究機構(NICT)と共同で研究・開発した(図2)。センサーデータなどをゲートウェイで収集してからクラウドに転送し、情報分析などを可能にするシステム形態に対応する。NerveNet技術は、NICTキャラバンテストベッドで運用されているほか、和歌山県白浜町で2021年3月に技術実証を実施している。

図2:「LoRaメッシュネットワーク」におけるセンサーデータのフロー

 加えて、独自のデータ転送方式により、マルチホップ型の通信環境を実現した。基地局は、最大10ホップの多段中継により、数十キロの長距離通信が可能だとしている。

 LoRaメッシュネットワークSDKは、販売代理店のd3コムが、評価版ハードウェア(受注生産)とセットで提供する。初年度に10エリア、3年後には100エリアでの運用実績を目標にする。