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製造現場での人の動きをデジタル化するシステム群、B-EN-Gが体系化し発売

DIGITAL X 編集部
2021年9月29日

製造業における現場作業員など人の動きをデジタル化するためのシステムを、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)が新シリーズとして2021年10月1日から販売する。まずはVR(Virtual Reality:仮想現実)技術を使う学習用システムと、画像認識による作業計測・分析システムを機能強化し投入する。2021年9月16日に発表した。

 製造業向けERP(統合基幹業務システム)ソフトウェア「mcframe」などを開発・販売するビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の「mcframe MOTION」は、製造現場における人の動きを対象にデジタル化を支援するための製品群。現場が求める「教育・実践・評価・改善」の能力向上サイクルに合わせて製品体系を刷新した(図1)。

図1:「mcframe MOTION」は現場が求める「教育・実践・評価・改善」の能力向上サイクルに合わせた製品群

 mcframe MOTIONの新製品として今回、(1)「VR-learning」と(2)「Human-tracking」の2製品を機能強化し2021年10月1日から発売する。

 VR-learningは、VR(Virtual Reality:仮想現実)技術を用いた学習/トレーニング用システム。今回、VR教材をPC上のWebブラウザに配信できるようにした。従来は、受講者それぞれにVR専用のヘッドセットが必要だったが、多数の受講者が同時に学習したり社内で共有したりを可能にした(図2)。

図2:VR-learningにおけるWebブラウザ上での表示例

 教材は利用企業自身が、市販の360度カメラで撮影した映像に、説明文や画像、設問などを加えるなどで作成できるという(図3)。確認点や設問を加えることで、受講状況を確認できる。VRヘッドセット「HTC VIVE Pro Eye」(台湾HTC製)を使えば、目視確認作業における視線の移動など、受講中の視線の動きを計測できる。

図3:説明の文や画像などを加味したVR教材の例

 一方のHuman-trackingは、作業員の作業や姿勢を計測し分析・可視化するためのシステム。今回、画像認識技術を取り入れ、作業員の識別や動作の追跡などの精度を高めた(図4)。動画からの工程作業の分析・評価や、標準作業と実際の作業の比較・分析が容易になる。撮影するだけのため、計測の手間が省けるうえ、熟練者でなくても精度の高いデータを収集できるとしている。

図4:画像認識により動画から人の動きを測定する

 作業員の動作軌跡などは、作業場所ごとの滞在時間や移動回数などを示せるため、無駄な待ち時間や効率が悪い移動、想定外の移動などを見つけられるという(図5)。作業員に合わせた作業環境の構築にも利用できるとしている。

図5:作業員の位置や動作を計測し標準作業との差異などを分析・評価できる

 B-EN-Gは両製品をグローバルに販売し、今後3年間で100社への新規導入を目指す。