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物流倉庫の設計・管理をデジタルツインのシミュレーションで最適化するサービス、米Datumix日本法人が開始

DIGITAL X 編集部
2021年9月30日

物流倉庫の設計や、運用後の管理を倉庫のデジタルツインを使ったシミュレーションで最適化を図るサービスを、物流業に向けたAI(人工知能)システムなどを開発する米Datumixの日本法人が2021年9月21日に開始した。独自のAIアルゴリズムにより、シミュレーションの精度を高めているという。同日に発表した。

 米Datumixは、米カリフォルニア州で2017年5月に創業したベンチャー企業。デジタルツインとAI(人工知能)技術を組み合わせ、物流業界を中心としたツールやサービスを提供している。

 今回、同社日本法人が、物流倉庫の設計や稼働後の管理を最適化するための「デジタルツイン・シミュレーションを活用した物流倉庫DX支援サービス」を開始した。倉庫のデジタルツインを仮想空間に構築し、仮想空間で実施する業務をシミュレーションすることで、設計品質の向上と倉庫内の管理業務の最適化を図る(図1)。

図1:「デジタルツイン・シミュレーションを活用した物流倉庫DX支援サービス」の概念

 シミュレーションでは、Datumix独自のAIアルゴリズムを組み合わせることで、従来のシミュレーションよりも精度を高められるとしている。

 支援サービスによって期待できる効果として、以下のような例を挙げる。1つは、新設する倉庫のレイアウト設計の品質向上と運用時のトラブル対応コストの削減(図2)。デジタルツインのシミュレーションを数十~数百回繰り返すことで、運用時に生じる問題を事前に把握するとともに、その対策をAI技術で導き出し、その対策を設計に反映させることで実現する。

図2:デジタルツインシミュレーションによる新設倉庫のレイアウト設計の例

 もう1つは、既存倉庫におけるマネジメントの高度化による人件費の削減(図3)。デジタルツインでのリアルタイムシミュレーションにより、倉庫のマネジメント品質を高める。具体的には、作業担当者ごとの作業効率を実績データを使った機械学習によって予測することで、人材配置の最適化を図り、人件費の削減につなげるとしている。

図3:デジタルツインシミュレーションによる既存倉庫のマネジメントの最適化の例