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大量のセンサーデータをAIで処理しやすい形で収集・蓄積できるクラウド基盤、米Akridataが開始

DIGITAL X 編集部
2021年10月13日

大量のデバイスから大量のセンサーデータを収集し、AI(人工知能)技術で処理しやすい形でデータを成形・蓄積するクラウド基盤のサービスを、米Akridataが開始した。自動運転車などが発するデータの収集・分析なども想定し、必要な機能を提供するとしており、北米トヨタが利用しているという。2021年10月5日(現地時間)に発表した。

 米Akridataは、大量データのAI(人工知能)技術による分析などに取り組むベンチャー企業。「Data-Centric AI」を掲げ、米シリコンバレーで2018年に創業した。社名にある「Akri」はギリシャ語で「エッジ」という意味だ。

 今回、自動運転車などを含めた大量デバイスから大量データを収集・分析するためのクラウド基盤サービス「Akridata Edge Data Platform」の提供を開始した。大量データを扱うための拡張性の確保と、データをAI技術を使って分析することを前提に設計されているのが特徴だ。収集したデータを分析しやすいように整理・変換・フィルタリングなどデータパイプラインを自動化し、AIワークフローを作成・管理するための機能を用意する。

 そうした機能を提供するためにAkridata Edge Data Platformでは、エッジデバイスからクラウドまでの間でデータの処理・保存・移動を分散型にして最適化を図っている。それにより、適切なデータにアクセスするまでの時間を10分の1に短縮し、計算機やストレージの利用効率を4倍に高めたとする。同Platformの利用者となるデータサイエンティストや機械学習エンジニアの生産性は2倍に向上できるという。

 Akridata Edge Data Platformを採用する北米トヨタ自動車のエンジニアリングディレクターであるキーショア ジョナラゲッダ (Kishore Jonnalagedda)氏は、同Platformについて、こう述べている。

 「エッジロケーションからクラウドまでのデータパイプラインを自動化することで、すぐに活用できるようになる。データサイエンスと製品開発チームは、クラス最高のADAS/AVソリューションを提供することで、すべての人にモビリティを提供するという最も重要な課題に集中できるようになる」

 例えば自動車業界では、ADAS(高度運転支援システム)やAV(自動運転車)の実現するために、大量データを扱えるクラウド環境の整備が課題になっている。一般にADASやAVといった自律型デバイス1台からは1日当たり数十テラバイト(TB)のデータを収集しているという。