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日常の歩行データを靴に入れるセンサーで収集し分析するサービス、NECが法人向けに開始

DIGITAL X 編集部
2021年10月18日

日常の歩行データを収集・分析する法人向けサービスをNECが2021年10月に開始した。靴の中にセンサー付きの専用インストールを入れて計測する。病院や介護事業者における患者や要介護者の歩行データの収集や、靴メーカーの商品開発といった用途に提案する。2021年10月8日に発表した。

 NECの「歩行センシング・ウェルネスソリューション」は、日常の歩行データを場所や時間を問わず収集し、分析できるサービス(図1)。小型の歩行分析センサーを開発し、歩行の質とみなせる「歩容」の測定を可能にした。具体的には、歩行速度、歩幅、接地角度、離地角度、足上げ高さ、足の外回し距離を測定する。

図1:「歩行センシング・ウェルネスソリューション」の構成要素

 小型のセンサーは、専用のインソールに装着し靴の中に入れる。日常の計測だけでなく、リアルタイム計測用のセンサーも用意し、特定場面での歩行状態を計測することもできる。センサーは歩行時のみ検知・起動し消費電力を抑えられるため、電池交換や充電の手間を省けるとしている。

 さらに、センサーで収集した歩容データから、足圧中心移動指数や拇趾関節の歪み(第一中足骨関節角度)といった足の健康状態を示す指標を推定する「歩容分析AI技術」も開発した。

 センサーで計測したデータは、専用アプリケーションやダッシュボードから確認できる。例えば、病院や介護事業者は、病院や施設外での患者/要介護者の歩行状況を把握したり、靴メーカーであれば、開発中の靴を着用した際の歩行データを取得し商品開発などに生かしたりができる。

 NECによれば、人の歩行状態を把握するにはこれまで、カメラで撮影した歩行シーンの映像や、身体に装着したウェアラブルセンサーからのデータを基に分析してきた。いずれも使用場所や利便性、専用設備の設置など運用や費用面に課題がある。

 歩行センシング・ウェルネスソリューションの月額利用料は、センサーが3000円(税別、以下同)、専用インソールが5000円、ダッシュボードが5万円である。