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レガシーシステムの資産を利用するためのAPIの開発ツール、米オープンレガシー日本法人が発売
レガシーシステムの資産を外部から利用するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)をノーコードで開発するためのツールを、米オープンレガシーの日本法人が2021年10月18日に発売した。既存システムのソースコードを変更することなくデータなどの資産を外部から利用可能にする。同日に発表した。
米オープンレガシーの日本法人、オープンレガシー ジャパンの「OpenLegacy HUB」は、レガシーシステムの資産を利用するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)の開発ツール(図1)。ソースコードを変更しなくても、レガシーシステムが持つデータやアプリケーションを外部システムから利用できるようにする。
OpenLegacy HUBでは、レガシーシステムとやり取りする「モジュール」と、外部システムに対応するための「プロジェクト」と呼ぶ2種類のソフトウェア部品を作成する。モジュールとしては、レガシーシステムの主なデータベースなどに対応したコネクターをオープンレガシーが用意する。
モジュールとプロジェクトをOpenLegacy HUB上で結び付ければ、必要な機能がマイクロサービスとして生成させる。生成された機能は、言語や実行環境を指定してデプロイすることでAPIとして利用できる。
海外企業におけるPoC(概念実証)では、APIの開発・テスト・デプロイの過程における開発時間を92〜99%削減できた例があるとする。オープンレガシーとしては、「10倍早い開発期間・5倍早いAPI性能・75%低いTCO(総所有コスト)」の実現を目指しているという。
国内では、島根銀行がOpenLegacy HUBを使ったAPIサービスを2021年6月から提供を開始している。同行は2020年8月から実証実験に取り組んでいた。
オープンレガシー ジャパンによれば、APIの外部公開によりビジネス連携を生み出すAPIエコノミーが成長を続けている。だが、レガシーシステムのAPIを開発し公開するには複雑で長期間の開発を伴う。日本では金融機関に対してAPIの公開が義務付けられるなど、レガシーシステムにおけるAPIの開発ニーズが高まっている。
OpenLegacy HUBの利用料は年間720万円(税別)から(メインフレーム10APIまで)。金融機関を中心にメインフレームやミッドレンジサーバーを利用している企業に展開し、3年間で50社からの受注を目指す。