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データ分析の専門家以外の使用を想定したフルマネージド型クラウドサービス、米IBMと英Deloitteが発表

DIGITAL X 編集部
2021年10月29日

データサイエンティストなどデータ分析の専門家でなくても早期にデータ分析に取り組めることを目的としたフルマネージド型のクラウドサービスを米IBMと英Deloitteが共同して提供する。一般の従業員自らがデータ分析のためのアプリケーションなどを開発・実行できるようにする。2021年10月11日(現地時間)に発表した。

 米IBMと英Deloitteが共同で提供する「DAPPER」は、データ分析を対象にしたフルマネージド型のクラウドサービス。IBMのクラウドサービス「IBM Cloud Pak for Data」とDeloitteのデータ分析基盤「Deloitte Analytics Platform」を組み合わせたうえで、運用・保守を含めて提供する。オンプレミスでもマルチクラウド環境でも利用できるという。

 DAPPERでは、データサイエンティストなどデータ分析の専門家だけでなく、一般の従業員も必要なデータ分析が自ら実行できる環境を提供する。具体的には、データを一元表示するダッシュボードや、企業が求めるレポート、データ管理ツール、AI(人工知能)技術の適用などだ。

 加えて、専門的なデータ分析のためのソフトウェア部品やメソッド、データ分析に必要なデータを複数種のデータセンター上でサイロ化された状態から収集・整理するための機能なども用意する。

 これらを組み合わせることでデータ分析が可能になるため、個別に開発するよりも短期間にデータ分析に取りかかれるとしている。データ分析に必要なサービスはサブスクリプション(購読)型で提供する。

 DAPPERを使えば、例えば政府機関が、税金や雇用給付、年金、マネーロンダリングに関連する詐欺に対処するためのデータ分析ができるという。一般の従業員であれば、AIアルゴリズムやレポート機能を使ったデータ分析ができるようになる。

 米調査会社のGartnerはデータ分析環境について、「カスタムモデルを構築するよりもAIクラウドサービスを選択することで、より幅広いユースケースに対応し、より迅速に導入してスケーラビリティーを組み込む」ことを推奨事項の1つに挙げている(2021年度版『Hype Cycle for Cloud Computing』)。