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機械学習に必要な教師データの作成支援サービス、FastLabelが開始

DIGITAL X 編集部
2021年11月4日

機械学習のための教師データの作成・改善を支援するサービスをFastLabelが2021年10月26日に開始した。必要なツールの一部機能は無料で提供する。同日に発表した。

 FastLabelが提供する「FastLabel」は、機械学習によるシステム開発時に必要な教師データの作成・改善を支援するサービス(図1)。データに関連データを付与するアノテーションに使用するツールや、教師データの作成代行、MLOps(Machine Learningにおける開発と運用の統合)環境の構築などを提供する。品質の高い教師データを早期に用意できるという。

図1:教師データ作成サービス「FastLabel」の画面例

 FastLabelでは、ブラウザ環境から画像や動画、テキストなどへのアノテーション作業が実施できる。ブラウザ上で利用するツールは無料で提供する。機械学習に使われるデータ形式として、YOLO、COCO、PascalVOC、labelmeなどに標準で対応する。

 正解ラベルを事前に定義・登録すれば、アノテーターの理解度をチェックするためのテストを実施できる。合格したアノテーターだけが作業に参加できるようにすることで、作業品質のズレを防げるとする。

 作業の進捗や作業者ごとの実施状況やデータの偏りなどは、ダッシュボード上でリアルタイムに把握できる(図2)。アノテーターの却下率や平均作業時間なども確認できる。

図2:「FastLabel」のダッシュボード画面の例

 コメント・シェア機能を持ち、機械学習のエンジニアとプロジェクトマネジャー、顧客を含むチーム内での共同作業を可能にする。アノテーション後の教師データを共有することで、チーム内での認識のズレを減らし品質と開発速度を高められるとしている。

 FastLabelによれば、AI(人工知能)システムの開発現場においてリモートワークが広がることで「アノテーションツールの準備が大変」「メンバー間でデータの受け渡しが面倒」「細かなアノテーションルールの認識合わせが困難」といった悩みが聞かれるようになっている。