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DX人材不足を課題に挙げる日本企業の割合は世界より突出、ICC Japanの調査

DIGITAL X 編集部
2021年11月16日

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進において、人材不足を課題に挙げる日本企業の割合は、世界全体より2割弱も高く突出している--。こんな調査結果を、IT専門調査会社のIDC Japanが2021年11月2日に発表した。DX動向調査の日本と世界の結果を比較した。世界の企業はDXのビジネス的効果の計測段階に進んでいるという。

 IDC Japanが発表したのは、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み状況を経営者やマネジャーに聞いた『IDC DX Sentiment Survey』の国内外の結果を比較・分析したもの。

 同比較によれば、DX推進上の課題として「必要なテクノロジーを持った人材の不足」を挙げる企業の割合は、世界の22.7%に対し、日本は42.0%と19.3ポイントの開きがあった。「推進するリーダーシップの不足」についても日本企業が26.0%なのに対し、世界企業は8.8%と同じく大きな差があった。

 国内外で企業の課題認識に差がある項目としてはほかにも、「実施のための予算が不足」(11.6ポイント差)や「変革に対する社内の抵抗」(6.0ポイント差)」が挙がる。

 これらの結果から、世界企業は、リーダーシップの下にDXを実装している段階にある。一方で日本企業は、社内組織からの変革に対する抵抗や、変革を実現するための予算不足に直面している状況にあると推察される。いずれもDXの実装段階で直面する、あるいは、これから直面する可能性のある課題だと言える。

 実際、世界の企業では、DXの進捗度合いの可視化において、実ビジネスへの貢献度を示す指標(KPI:重要業績評価指標)の利用が進んでいる(図1)。世界の企業の回答率が高く、国内外で差がある項目としては「標準的な指標(売り上げ、利益、効率性、投資対効果など)」(17.0ポイント差)、「従業員のアドボカシー(従業員からの支持)」(13.3ポイント差)、「カスタマーアドボカシー(顧客からの支持)」(13.0ポイント差)がある。

図1:デジタルトランスフォーメーション(DX)の進捗を測るためのKPI(重要業績評価指標)の日本企業と世界企業の比較

 「標準的な指標」への回答率の高さは、DXを実装しビジネス的効果を計測している段階に進んでいることを表している。アドボカシーへの回答率の高さは、DXという企業全体の改革の影響を、内部および外部環境から計測していることの表れだとIDC Japanは指摘する。

 つまり世界の企業は、DXへの取り組みについて、従業員がどれだけ支持し、その支持が顧客からの支持にどう影響し、それらの支持が売上高などにどう影響しているのかに高い意識を持っている推察される。すなわち、企業(ブランド、パーパスなど)や製品/サービスなどに対する「ファンづくりに関する指標」に意識が移っているといえる。

 これら国内外で取り組み状況に違いがある背景には、「デジタルレジリエンシー(デジタルによるビジネスの回復および成長する能力)への本質的な理解度の差がある」という。世界の企業は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて、「守りのDX」のみならず、外部環境(顧客)の変化への対応といった新たな成長へと反転攻勢するための「攻めのDX」に対しても同時並行で取り組んでいるとIDC Japanはみている。