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顧客の声の調子や表情を加味して応対するためのAIシステムのAPI群、NTTレゾナントが提供開始

DIGITAL X 編集部
2021年12月9日

音声や映像から顧客の声の調子や表情を認識できるAI(人工知能)システムをNTTレゾナントが開発した。他システムから利用するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)群として2021年11月8日から提供を始めている。顧客1人ひとりに合わせて応対できるシステムの開発が可能になる。

同日に発表した。

 NTTレゾナントの「AI suite(エーアイスイート)」は、人の音声や映像から声の調子や表情を認識し、状況に合わせた応答を可能にするためのAI(人工知能)システム。同システムの機能を利用するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)群として提供し、APIを組み合わせたサービスや外部システムと連携したサービスの開発・運用を可能にする(図1)。

図1:「AI suite」では、システムが持つ機能をAPI群として提供し、対顧客サービスのための構築・運用を可能にする

 AI suiteでは、テキストに音声や映像を合わせて分析することで、声の調子や表情、身振りを把握し、そこから顧客の属性や感情、行動を統合的に予測する。会話から日時や場所、価格といった重要な要素を抽出するほか、複数回の受け答えから会話の文脈を理解し、顧客の意図を踏まえた応答ができるとする。これらにより、顧客1人ひとりに最適化した応答・会話が可能になるという。

 AI suiteの利用例として、(1)オンラインやメタバース(3次元の仮想空間)上での接客、(2)音声対話による検索・予約・購入などの代行を挙げる。

 オンラインやメタバース上での接客では、AI Suiteを使ってAIチャットボットを開発することで、親しみやすさと没入感のある接客が可能になるとする。顧客の行動履歴の学習により、感情や状況を踏まえた提案やサポートもできるという。接客以外にも、社員のメンタルケアやコンタクトセンターにおける人材教育などでも活用できるとしている。

 検索・予約・購入などの代行では、例えばレストランの予約であれば、好みのレストランの雰囲気や料理の系統、予約したい時間などを顧客から聞き取ったうえで、お薦め店の提案から予約までを一貫して実行できるとしている。

 AI Suiteの開発では、自然言語解析/処理技術やディープラーニング(深層学習)を活用し、高い精度での文脈理解やパーソナライズ化、表記ゆれへの対応といった機能を実現した。

 サービス提供中の急なアクセス増などに対応できるようAI suiteは、負荷に応じてサーバー数を自動で増減できるオートスケールに対応したクラウド上で動作している。

 AI suiteの導入・運用費用は要件によって変動し、要問い合わせとしている。