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製造業における5GやIoTの活用に向けた実証環境、ソフトバンクとiRooBOが大阪に開設

DIGITAL X 編集部
2021年12月10日

製造が5G(第5世代移動通信システム)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の活用を実証するための環境を、ソフトバンクが2021年11月9日、ロボット関連企業コンソーシアムのi-RooBO Network Forum(iRooBO)と共同で大阪に開設した。生産設備や協働ロボなどが生成するデータの蓄積・可視化などを検証できるという。同日に発表した。

 ソフトバンクとロボット関連企業コンソーシアムのi-RooBO Network Forum(iRooBO)が開設したのは、製造業が生産設備や協働ロボットを対象にしたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを検証するための実証環境。5G(第5世代移動通信システム)のネットワーク環境を使ってデータをクラウドに送信し、データの蓄積・可視化を確認できる。

図1:ソフトバンクとiRooBOが構築した実証環境のイメージ

 実証環境は、大阪市の複合商業施設ATC内に構築した。ATCには、iRooBOが運営する製造現場の自動化支援施設「IATC」や、研究開発支援施設「IATC-Lab」のほか、ソフトバンクやiRooBOなどが共同運営する5G関連製品/サービスの開発支援拠点「5G X LAB OSAKA」がある。

 今回、IATCとIATC-Labにあるデモンストレーション用の生産設備や制御装置、協働ロボットにIoTセンサーなどを設置した。センサーデータはゲートウェイを介して、ソフトバンクの5Gネットワークと閉域網サービス「SmartVPN」によりクラウド「Microsoft Azure」に送信する。

 この実証環境を利用する企業は、実際の製造現場の生産設備と同様の環境で、新しい仕組みの動作確認や、データの蓄積・可視化といった導入効果の検証が可能になる。

 クラウド上のデータは、SmartVPNを使ってクラウドに閉域接続しているデバイスであれば、どこからでも確認できるため、遠隔地からの運用を想定した検証できるとする。

 ソフトバンクによれば、製造業では技術者不足が深刻な課題になっており、生産性の向上や業務の効率化などを目的に、生産設備などのあらゆるデータを収集・連携し、それらを可視化・分析して改善する取り組みが求められている。

 しかし、多くの中小企業の製造現場では、生産設備や制御装置などを人が24時間365日体制で監視し、手作業でデータを記録・収集しているのが現状。自動化を進めるにも、既存設備がネットワークに接続されておらず、データの取得が難しい。加えて稼働中の生産設備を使った検証は生産ラインへの影響があり難しい。