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電力送配電のための変換所などをデジタルツインを使って管理・運用するシステム、スイス・日立エナジーが発売

DIGITAL X 編集部
2021年12月27日

電力送配電の品質を担保する設備をデジタルツインを使って管理・運用するシステムをスイス・日立エナジーが発売した。設備全体の稼働状況を3D(3次元)データを使ったデジタルツインで可視化し、電力システムの持続性や安全性を高める。2021年11月16日(現地時間)に発表した。

 スイス・日立エナジーの「IdentiQ」は、送配電設備をデジタルツインを使って運用・管理するためのシステム(図1)。高圧直流送電(HVDC)の変換所や無効電力補償装置(STATCOM)などを管理・運用し、電力システムの持続可能性や柔軟性、安全性、送電網の効率と信頼性など電力に関する品質向上、および大規模・分散型の再生可能エネルギー連系などを支援する。

図1:「IdentiQ」はデジタルツインを使って送配電のための設備を管理・運用する

 IdentiQでは、対象設備の稼働環境を仮想環境に再現しシミュレーションなどにより最適な管理・運用方法を見つけ適用するデジタルツインを活用する。設備資産に関するデータを1カ所に集約し、設計図書や運用・保守手順、安全に関するトレーニング、監視・分析用の運用データなどを管理担当者に提示する。

 資産全体は3D(3次元)画像で可視化でき、画面上で対象機器をクリックすれば、機器に関する各種情報が得られる。種々の企業システムと連携させれば、現場から経営までの情報を可視化でき、それぞれの立場からの運用方法や意思決定を支援できるとしている。

 例えば、持続可能性の面では、総合的な分析とサポートを遠隔から実施できるようにするほか、経年設備に関する情報を一元的に管理する。

 安全性では、資産データなどの情報を紛失や破壊から保護できるよう重要インフラに対応するサイバーセキュリティ標準に準拠する。現場での作業手順や避難経路などを対象にした仮想訓練もできる。