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小型データセンターを使ったエッジコンピューティング環境の構築・運用支援サービス、IIJが開始

DIGITAL X 編集部
2022年1月5日

データの発生場所近くに小型データセンターを設置し、エッジコンピューティング環境を構築・運用するためのサービスをIIJ(インターネットイニシアティブ)が2021年11月24日に開始した。工場でのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)や、遠隔医療・自動運転、スマートシティのIT基盤といった用途を想定する。同日に発表した。

 IIJ(インターネットイニシアティブ)の「DX edge」は、オフィスや現場などに小型データセンターを設置し、エッジコンピューティング環境を構築・運用するためのサービス(図1)。クラウドや大型のデータセンターと組み合わせた分散型のIT基盤を実現する。

図1:「DX edge」では、利用者の近くに小型データセンターを設置しエッジコンピューティング環境を実現する

 利用例としては、(1)工場におけるFA(ファクトリーオートメーション)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)環境の実現、(2)遠隔医療や自動運転などの用途に低遅延の処理を実現するための5G(第5世代移動通信システム)基地局と併せて配置するMEC(マルチアクセス・エッジコンピューティング)、(3)スマートシティのための地域データセンター(エッジローカルデータセンター)などを挙げる。

 ほかにも、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)や、自社データを手元に置き蓄積・処理場所を物理的にもコントロールするといった用途にも利用できるとする。

 現場に置く小型データセンターとしては、マイクロデータセンター(MDC)やモジュール型コンテナデータセンターを利用する。今回、MDCとして豪Zella DC製の取り扱いも開始した。

 豪Zella DCのMDCは、高さ約1~2メートルのボックスに、データセンターとして必要なサーバーやストレージ、無停電電源装置(UPS)、冷却用空調などを搭載したもの。屋内設置型「Zella Pro」と屋外設置型「Zella Hut」があり、12U(ユニット)、25U、38Uの3モデルを用意する。

 いずれもモジュール型で複数台を連結して使用できる。物理的なセキュリティ対策として、遠隔操作の電子錠や開閉センサー、Webカメラを持つ。ボックス内の冷却のため省電力(PUE=1.2程度)で運用できる。防塵(ぼうじん)・防水性能はIP65等級で、10年以上の耐久性を持つ。稼働音は50デシベル以下とする。

 温度と漏水、火災検知のための環境センサーなども備え、機器の障害や異常を検知できる。ルールベースでの自律運転時には、例えばMDC内の温度がしきい値を超えると指定したサーバーを自動で停止させるといった運用が可能という。

 運用支援サービスのオプションとして、遠隔監視・運用や故障時の手配代行の提供を予定する。多拠点・複数のMDCを一元的に運用・保守し、部品故障時はセンドバック保守にて対応する。

 DX edgeの小型データセンターの価格や利用料金は個別見積もりになる。