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産業用機器に力触覚を容易に付加するための技術、モーションリブが開発
力加減など力触覚を伴う遠隔操作などを実現するために、アクチュエーターを制御するコントローラーを産業用ネットワークに接続する技術を、力感覚技術を開発するモーションリブが開発した。通信変換モジュールとして発売する。2021年11月25日に発表した。
力触覚技術を手掛けるモーションリブが開発した「RT-TSN1」は、同社の力触覚コントローラー「AbcCore」を産業用ネットワーク「CC-Link IE TSN」に接続するための技術。PLC(Programmable Logic Controller)等の産業用機器を用いたアクチュエーターの制御が可能になり、力加減など力触覚を伴う遠隔操作などを容易に実現できるとしている(図1)。
モーションリブのAbcCoreは、慶應義塾大学が開発した力触覚伝送技術「リアルハプティクス」を使ったコントローラー。これまでAbcCoreをPLCなどの産業用機器から利用するためには、AbcCoreとPLC間の通信に対しマイコンなどを使った通信変換処理機能を開発する必要があった。
RT-TSN1を使えば、CC-Link IE TSNを使ったPLCとAbcCoreの通信が変換処理の開発なしに可能になる。アクチュエーターの力加減を、位置・速度・力の統合制御により容易に実現できるという。
力加減の制御だけでなく、AbcCoreが持つ、位置・速度・力のセンシング機能により、作業の達成状況を認識しながらの動作ができるため、歩留まりの向上も期待できるとする。
制御においては、C言語などによるプログラム記述は不要で、産業用機器で一般的に使われているラダー言語を使ってAbcCoreを扱える。利用企業は産業用機器向けのロジック開発に専念できるとしている。
モーションリブは今後、RT-TSN1を搭載したCC-Link IE TSN 通信変換モジュールとして提供する計画だ。