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社内外のデータを連携するAPI基盤の構築サービス、TISとインテックが開始

DIGITAL X 編集部
2022年1月26日

社内外のシステム間でデータを連携するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)基盤の構築サービスを、ITサービス会社のTISとインテックが開始した。社内でのシステム連携や、グループ企業や他社とのデータ連携などを可能にする。2021年12月3日に発表した。

 ITサービス会社のTISとインテックが開始した「APIプラットフォーム構築サービス」は、データ連携に向けたAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を開発・公開するための基盤の構築サービス(図1)。社内でのシステム間連携やアプリケーション開発、グループ企業や他社とのデータや業務プロセスの連携を可能にする。

図1:「APIプラットフォーム構築サービス」の適用範囲

 APIは、システムの機能やデータを公開・提供するための仕組み。製造や在庫管理、発注、配送などの業務別に構築されているシステムの機能やデータを連携すれば、契約から納品、検収、請求、サポートまでの業務プロセスを自動化したり可視化したりが可能になる(図2)。企業間での情報流通を可能にするAPIエコノミーも構築できる。

図2:APIプラットフォームは、社内外のデータ連携を可能にする

 APIプラットフォーム構築サービスでは、API基盤の構築に向けたコンサルティングから要件定義、それに基づくインフラ環境の構築、認証・認可サービスとの連携設定、実証サポートまでを提供する。オプションで、API基盤を活用するためのコンサルティングや、基盤のシステム監視や障害対応といった運用代行、通信ログの監視や分析などにも対応する。

 API基盤は、EU(欧州連合)発のシステム/データ連携用OSS(オープンソースソフトウェア)「FIWARE」を使って構築する。APIの開発・公開のためのコストと期間を短縮できるよう、各APIが共通に利用するセキュリティ機能や管理機能、ログ・運用機能などを用意する。

 APIセキュリティ機能では、APIの認証・認可の標準規格「OpenID Connect」に対応する。複数のAPI認証を一元化できるほか、APIの公開範囲を設定することでデータの種類によってデータの流通範囲を制限することもできる。

 API管理機能では、多数のAPIの公開設定を管理できる。管理機能には、米KongのOSS製品をベースにブリスコラが開発・提供する「BAMs Series」を利用している。APIの利用ログも管理でき、その解析により不正なアクセスを検知したり、システム連携時のボトルネックを発見したりができるという。

 APIの開発では、プログラムを小さなサービスの集合体として開発・実行するマイクロサービスアーキテクチャーを採用している。既存システムと接続するため通信方式やデータ形式、認証方式などを変換する接続モジュールと、APIアクセスを受け付けるモジュールを分けるなどで個々の開発規模を小さく抑える。

 TISとインテックは本サービスを、製造業や金融業、流通業をはじめ、分野横断的にデータを活用して競争力を強化したい企業に提供し、2025年までに100社への導入を目指す。またインテックは、既存のEDI(電子データ交換)/EAI(企業内アプリケーション統合)の仕組みをAPI連携に移行するためのコンサルティングなども提供する予定である。