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危機発生時の医療需給ギャップを予測するツール、武田薬品とPwCコンサルが開発へ
危機発生時に発生する医療の需給ギャップをデジタルツインを使って予測するツールを武田薬品工業とPwCコンサルティングが開発しする。患者の行動や医療提供体制の変化をシミュレーションする。2022年中の提供を予定する。2021年12月23日に発表した。
武田薬品工業とPwCコンサルティングが開発するのは、パンデミックや災害などが起こった際に生じる医療の需給ギャップを予測するためのツール。武田薬品の知見や厚生労働省の公開データ、第三者が提供するデータなどから、危機に対する患者の行動や医療提供体制の変化に関するデジタルツインを構築し、シミュレーションできるようにする。2022年中の提供を予定する。
武田薬品ジャパンメディカルオフィスヘッドであるジュベル・フェルナンデス氏は、「デジタルツインによって、対応すべきタイミングと対象を見極められるだけでなく、より効果的に需要と供給の不一致を予測できる」とする。
予測ツールの開発には、PwCが持つ人体のモデリング・シミュレーション技術「Bodylogical」と、人間の行動シミュレーション技術「Behavior Predictor」、患者の需要と医療提供のシミュレーション技術「Demand Simulator」を使用している。
両社が開発に着手したのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを観察した結果、患者側の需要と医療システムの供給の不一致に大きな課題があるという結論に至ったため。そこで両社が2019年に開発したクローン病を対象としたシミュレーションツールを応用し、シミュレーションの対象をクローン病患者から全人口に拡大した。
クローン病を対象としたツールでは、Bodylogicalを使って臨床症状や投薬情報に関するデジタルツインを構築した。患者ごとの治療シナリオをシミュレーションし、その結果を医師に提供する。