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免震建物を遠隔監視するためのシステム、竹中工務店が開発

DIGITAL X 編集部
2022年4月14日

免震建物の状態を遠隔監視するためのシステムを竹中工務店が開発した。日常点検のほか、地震が発生した後の健全度の推定結果をPCやスマートフォンなどから確認できる。一部機能は免震建物以外でも利用できる。2022年1月13日に発表した。

 竹中工務店が開発した「免震総合モニタリングシステム」は、免震構造を持つ建物を遠隔から監視するためのツール(図1)。地震の力が伝わりにくいように建てられた建物に対し、日常点検の結果や地震が発生した後の建物および免震層の健全度の推定結果を、PCやスマートフォンなどから確認できるようにする。新築だけでなく既存の建物にも対応する。

図1:「免震総合モニタリングシステム」では、免震建物の状態をPCなどを使って遠隔監視できる

 提供する機能は、大きく日常点検用と地震発生時用に分かれる。前者では(1)免震装置変形遠隔監視、(2)画像監視を、後者では(3)建物健全度推定支援、(4)免震層モニタリングを、それぞれ用意する。用途に応じて個々に選択できるほか、カスタマイズもできる。

 免震装置変形遠隔監視は、維持管理点検のためのデータを計測するもの。レーザー距離計を使い、免震装置の微小な変形・変動を計測する。画像監視では、監視カメラを使って免震層の状況を確認する。

 建物健全度推定支援は、地震発生時に建物各階の健全度を推定するための機能。建物内に設置した加速度センサーで地震の加速度を計測する。免震層モニタリングは、地震発生時に免震層の点検が必要かどうかを確認するためのもの。免震層の変位を同社が開発した「ロングストローク変位計」で計測する。