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金融や位置に関するパーソナルデータの利用には抵抗感が強い、NTTデータ経営研究所の調査
パーソナルデータのなかでも金融情報や位置情報の利用には抵抗感が強い--。こんな調査結果をNTTデータ経営研究所がまとめた。公共的な用途に対しては比較的抵抗感が弱いという。2022年1月13日に発表した。
NTTデータ経営研究所が発表したのは、『パーソナルデータの活用に関する一般消費者の意識調査』の結果。「NTTコム リサーチ」(NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション)の登録モニターを対象に実施した。
同調査によれば、情報銀行やPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスといったパーソナルデータの活用サービスについて「利用したことがある」とする回答(「利用したことはあり、今後も利用したいと思う」と「利用したことはあるが、今後は利用したいとは思わない」の合計)は10.6%にとどまった。「今後利用したいと思う」とする回答(「利用したこともなく、今後も利用したいとは思わない」と「利用したことはあるが、今後は利用したいとは思わない」の合計)が68.9%にも上る(図1)。
「どのような条件であっても企業に提供したくない」パーソナルデータとしては、「株式や債券、口座残高等の金融資産情報」が63.5%で最も高かった。そのほか「位置情報」(62.6%)、「年収、借入等のその他の金融情報」(62.5%)、「Webアクセス履歴」(61.5%)も60%以上が提供したくないパーソナルデータに挙げている(図2)。
逆にパーソナルデータを提供する利用目的として抵抗感がないのが公共的な用途である。データを提供しても良いとする用途としては、「健康・医療・福祉」が43%、「防災等の災害・安全対策」は36%、「公的サービス改善」は27%だった(図3)。
パーソナルデータの活用サービスを選択する際に最も重要視する項目といては、「安全管理措置の確保」が22.1%で最も高かった。2位の「(サービス提供による)報酬の高さ」の10.9%の倍にあたり、利用者が安全を重視する意向が伺える(図4)。
今後、データ活用で期待したいサービスとしては、「自身の個人情報の追跡・安全性確認サービス」(47%)と「医療機関間等での検査結果データ共有サービス」(46%)が40%を超えた。「参加者の趣味と予定から旅行を調整・提案」(37%)と「トレーニングデータと購買履歴を活用した商品提案サービス」(35%)が続く(図5)。
今回の調査結果についてNTTデータ経営研究所は、「パーソナルデータの活用サービスの認知度は低く、利用意向がある層へのアプローチが重要だ。利用に向けてはデータの保全が重要で、公共的な要素の取り込みが利用者獲得の鍵になる」としている。