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量子コンピューターの仕組みや動作が学べるプログラミングツール、TISが公開
量子コンピューターの仕組みや動作が学べるプログラミングツールをITサービス大手のTISが公開した。量子ビットや量子ゲートについて、ドラッグ&ドロップ操作で学べるという。無料で提供する。2022年1月26日に発表した。
TISの「Qni(キューニ)」は、量子コンピューターの仕組みや動作を学ぶための無料のプログラミングツール(図1)。「量子回路」と呼ばれる量子コンピューターで動作するアプリケーションをWebブラウザー上でのドラッグ&ドロップ操作で編集・実行できる。理化学研究所の開拓研究本部との共同研究の成果を元に開発した。
量子コンピューティングのためのプログラム開発に向けては、量子ビットの振る舞いや量子テレポーテーションといったアルゴリズムを理解するための量子論の知識が必要だとされる。
これに対しQniでは、量子コンピューターが扱う情報の最小単位である「量子ビット」の状態や、量子ビットの集合である「状態ベクトル」をビジュアル化して表示することで、文字などではイメージしづらい量子ビットの振る舞いを理解しやすくしたという。
Qniで作成した量子回路を他の開発者とシェアするための「Qni Share」機能も持つ。量子回路のURLをメールやSNSに投稿すれば、他の開発者は、その量子回路をブラウザー上で実行できる。開発者間のコラボレーションが、量子コンピューターエンジニアの教育・育成にも役立つとみる。
今後は、量子プログラミングの初心者を対象にした対話型チュートリアルや、高度な量子プログラミングのための機能を追加する予定だ。
QniのソースコードはGitHub上でも無償公開する。他のアプリケーションとの連携が可能だ。すでに、量子コンピューターサービスを提供するblueqatが同社サービスへの利用を決めている。Webサービス「blueqat VQE」と「AutoQML」のユーザーインタフェースにQniのソースコードを使用するという。