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インフラ工事に必要な3D設計データ、CUGとBIMobject Japanが無償で提供

DIGITAL X 編集部
2022年5月4日

土木技術者がインフラ工事においてBIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling, Management)を扱う際に必要な3D(3次元)設計データを、土木分野の3Dモデルの活用を推進するCivilユーザ会(CUG)とBIMデータの流通サービスを手掛けるBIMobject Japanが2021年12月24日から無償公開している。土木技術者が3Dデータを利用しやすい環境を整備するのが目的だ。2022年1月31日に発表した。

 土木分野の3Dモデルの活用を推進するCivilユーザ会(CUG)とBIMデータの流通サービスを手掛けるBIMobject Japanが無償公開しているのは、土木技術者がインフラ工事においてBIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling, Management)を扱う際に必要な3D(3次元)設計データ。側溝などの構造物、建設機材、仮設材、安全施設など308製品(初期時点)のデータを用意する(図1)。

図1:Civilユーザ会とBIMobject Japanが無償公開する3D設計データのダウンロード画面の例

 提供する3D設計データは、CUGのメンバーである土木技術者が作成し、BIMobject Japanの流通プラットフォームを使って提供する。CUGのサイトからBIMobjectに無料の会員登録をすれば、土木技術者であれば誰でも掲載データを無償でダウンロードできる。土木技術者が作成しているため、実務重視のデータになっており、使いやすさいとしている。

 3D設計データを使った施工計画は、3D測量データと併用することで土木工事の施工計画の効率化や緻密化、竣工後の土木構造物の維持管理に役立つとされる。

 ただ土木分野でBIM/CIMの運用を加速するには、土木の実務者が3D部品モデルの作成時に、参考にしたり、そのまま利用したりできる3D部品データの普及と、それらを利用しやすい環境が必要との考えから、CUGとBIMobject Japanは今回の仕組みによる3D設計データの無償公開を決めたという。

 土木分野では、インフラの老朽化や技術者不足、地球温暖化による自然災害の甚大化などが課題になっている。政府は2020年度から国土強靭化政策を推進しており、国土交通省は土木分野での3Dデータ活用を基軸としたBIM/CIMデータ活用の強化を図っている。

 CUGとBIMobject Japanによれば、土木製品や部材は、現場の地形や気象条件などにより案件ごとにサイズが異なる。土木工事への3D部品データの活用が国を挙げた取り組みが進行しているが、土木分野ならではの課題に加え、国内ではデータライブラリーなどの基盤整備が始まったばかりなのが現状だ。