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倉庫や工場などの設備をAGVを使って巡回点検するサービス、ブルーイノベーションとトッパン・フォームズが開発

DIGITAL X 編集部
2022年5月6日

倉庫や工場などの設備の巡回点検を自動化・無人化するためのサービスを、ドローンやロボットの制御システムなどを開発するブルーイノベーションが2022年秋から提供を始める。センサーなどを搭載したAGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)を使って施設内を巡回し、施設の状態や機器類の数値などデータを収集・把握できるようにする。予兆保全の実現を支援する。2022年2月7日に発表した。

 ドローンやロボットの制御システムなどを開発するブルーイノベーションの「BEPサーベイランス」は、倉庫や工場などの施設で稼働している設備の状態を把握するためのサービス(図1)。カメラやマイク、センサーなどを搭載したAGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)を巡回させ、必要なデータを収集する。現場の担当者が目視点検してきた業務の効率を高め予兆保全が実施できるようにする。

図1:「BEPサーベイランス」では、センサーなどを搭載したAGVが巡回し設備の稼働状況を示すデータを収集する

 BEPサーベイランスは、ブルーイノベーションが開発するデバイス遠隔制御・統合管理基盤「Blue Earth Platform(BEP)」と、トッパン・フォームズが持つIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムのノウハウを組み合わせて開発した。AGVにはDoog(ドーグ)が開発する「サウザーミニ」を使う。

 AGVの巡回ルートはBEPを使って事前に指定する。BEPは複数のAGVの巡回コースや時間設定、データの取得・保存までを統合して管理する。AGVがリアルタイムに取得した設備の状態や機器の数値などから、点検対象ごとのレポートを作成する。取得した画像をAI(人工知能)技術で分析することもできる(図2)。BEPは、エレベーターや自動ドアなどの制御システムとの連携にも対応する。

図2:BEPサーベイランスの管理・運行画面の例(上)と、AGVが撮影した画像をAI技術で分析し設備の稼働状況を把握した例

 サービス開始に先行し、2022年1月からJR東日本の東京総合車両センターにおける列車保守点検業務でのトライアルを開始した。2022年4月1日からはトライアル検証サービスを提供し、トライアルへの参加企業を募集している。

 今後は、ドローンによる全自動巡回システムも開発し、AGVによる巡回と組み合わせた「ドローン&AGV全自動巡回」を可能にする。2022年度中にトライアルサービスを開始する予定だ。