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木材のサプライチェーン関連業務を対象にした基盤サービス、BIPROGY子会社が開始

DIGITAL X 編集部
2022年5月6日

木材のサプライチェーンを対象にした基盤サービスを、BIPROGY(旧日本ユニシス)子会社のグリーンデジタル&イノベーション(GDI)が2022年5月中旬にも開始する。まずサプライチェーンの川下領域の業務改善を目的に、木材卸向けの資材提案ツールや工務店向けの工程管理ツールを用意する。岐阜県で2022年2月から試行を始めている。2022年2月8日に発表した。

 BIPROGY(旧日本ユニシス)子会社のグリーンデジタル&イノベーション(GDI)の「木材流通プラットフォームサービス(PFサービス)」は、木材卸業者や木造住宅を建築する工務店など、地域の木材流通に携わる事業者を対象にしたサービス(図1)。各事業者の業務プロセスやコミュニケーションの効率化、顧客獲得、施主に向けた納期の短縮などを支援する。

図1:「木材流通プラットフォームサービス(PFサービス)」の構成/体系

 第1段階として、木材卸業者と工務店の間での情報共有を可能にする(図2)。第2段階で卸業者/工務店に需要家を含めたサプライチェーンにまで、さらに第3段階では、生産事業者までカバー領域を順次広げる。第1段階は、2022年2月から岐阜県で試用を始めており、順次対象地域を広げていく。

図2:今後のカバー領域拡大と地理的拡大の構想

 第1段階のPFサービスは、(1)「資材提案ツール」と(2)「工程管理ツール」からなる。資材提案ツールでは、注文住宅建築用にパッケージされた標準資材のカタログを、木材卸がオンラインで閲覧でき、営業員が顧客の工務店へタブレットを通して提案できる。営業の効率化と資材の標準化を加速し、在庫確認の円滑化や管理コストの抑制を狙う。見積もりの自動作成機能や発注機能とも連携する予定だ。

 工程管理ツールは、工務店の現場監督に向けたもの。工程表・図面・資材一覧などの情報を一元管理でき、スマートフォンやタブレットを使って現場や外出先から情報の確認や簡単な事務作業ができる。チャット機能を持ち、作業計画変更の一斉連絡や、定型報告などに利用できる。工程の進捗に応じて必要資材の仕入れ日や配達日が通知されるため、適切なタイミングで資材の発注・納入が可能になる。

 岐阜県での試行を踏まえ改良を施し、2022年5月中旬の本番サービス開始を目指す。工務店向けの情報提供や人材支援のサービスも追加する予定だ。5年後に全国10~15エリア、1000~2500社の参加を目指す。

 グリーンデジタル&イノベーション(GDI)は、木材サプライチェーンにおけるビジネス基盤や各種ICTサービスの提供会社として設立した。BIPROGYは、国産材の流通・利活用や資源の有効活用を共創により推進/促進する「キイノクス・プロジェクト」を発足させ、推進している。