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都市の人流などシミュレーションするためのデジタルツイン、富士通と米カーネギーメロン大学が共同研究

DIGITAL X 編集部
2022年5月6日

スマートシティーの実現に向けて、都市での人々の動きをシミュレーションするためのデジタルツインの共同研究を、富士通と米カーネギーメロン大学が2022年2月に開始した。デジタルツインを使って、CO2排出などの環境問題や経済効率といった都市問題の解決策の有効性を検証する。2022年2月8日に発表した。

 富士通と米カーネギーメロン大学が研究するのは、都市における人々の動きをシミュレーションするためのデジタルツインの基盤技術。スマートシティーにおける重要分野とされる都市の交通や環境、経済などに関する解決策について、デジタルツインを使って人々の行動を事前に検証し、解決策の効果を高められるかどうかを検証する(図1)。

図1:ソーシャルデジタルツインでの施策検証イメージ

 例えば、都市の交通量の実データをデジタルツインに反映し、人流の発着地を動的に推定して交通量を管理・調整することで、CO2排出などの環境問題や経済効率といった都市問題を解決するための施策の有効性を検証する。

 デジタルツインの実現に向けては、人や物、経済、社会の相互作用を再現できるよう、行動経済学や行動科学といった人文社会科学と、計算機科学を融合した「コンバージングテクノロジー」を用い、ヒューマンモデルとソーシャルモデルを構築する。

 加えて、2次元情報から3次元情報を推定するニューラルレンダリング技術を使い、映像では部分的に見えない人の動きをカメラの設置角度や障害物との重なりから仮想的に生成するセンシング技術を開発する。

 富士通とカーネギーメロン大学は今後、デジタルツインを活用し、新型コロナウイルス感染症などのパンデミックの抑止と経済成長を両立させる施策の実施や、状況に応じて医療資源を最適に配分し人々の安全・安心な暮らしを守るサステナブルな次世代スマートシティーの実現を支援していくとしている。