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ピーマンの栽培を体系化し再現性を高めるためのデータ収集を農業ロボ開発のAGRISTが開始

DIGITAL X 編集部
2022年5月10日

ピーマンの栽培を体系化し再現性や収益性を高めるのを目的に、ハウス内の栽培環境データの収集を農業用ロボットを開発するAGRIST(アグリスト)が開始した。データに基づきロボットの仕様も決めるという。2022年2月10日に発表した。

 農業用ロボットを開発するAGRIST(アグリスト)が開始したのは、ピーマンのハウス栽培における栽培環境に関するデータの収集。データに基づきピーマンの栽培体系や収穫用ロボットの仕様を確立し、ピーマン栽培の再現性および収益性を高めるのが目的だ(図1)。

図1:ピーマンの栽培に関するデータを収集し農業の再現性を高める

 収集するデータを同社は「再現可能データ」と呼んでいる。農作物への水やり(潅水)などの入力と、実を付ける(着果)といった出力の相関関係を可視化でき、農作業の再現性を高められるからだ。これにより、ロボットの収穫効率化や、収穫量の予測/向上、育成ノウハウの定量化、病害虫の早期発見が可能になるという。

 再現可能データには、ビニールハウスの温度や湿度といった環境データと、土壌の内部データ、生育状況に応じたピーマンの画像データ、および農作物の株の状態がある。これらのデータを解析することで、生育過程で起きた事象を予測する。

 これらデータのうち農作物の株の状態は、同社の自動収穫ロボット「L」が圃場内を周回し定期的にデータを取集する(図2)。カメラやセンサーが複数台必要だった株の定点観測のコストを低減できるとしている。

図2:ピーマンの育成に関するデータを自動収穫ロボット「L」を使って取集する

 AGRISTは、「ロボットと人が共存する農業」を推進するために、自社で試験圃場を運営するほか、2022年3月からは「アグリストファーム」の建設も進める予定である。