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燃料電池の使用で電源工事を不要にした監視カメラシステム、トーノーセキュリティが発売

DIGITAL X 編集部
2022年5月17日

燃料電池を使うことで電源工事を不要にした遠隔監視システムをトーノーセキュリティが2022年3月に発売した。河川や電力設備、養鶏場など電源確保が難しい場所での利用を想定する。開発に技術協力しているアムニモが2022年2月14日に発表した。

 トーノーセキュリティの「燃料電池型監視カメラソリューション」は、燃料電池を使う遠隔監視システム。燃料電池と電源装置、エッジゲートウェイをセットにした収納ボックスとIPカメラからなっている(図1)。IPカメラとエッジゲートウェイの電力を燃料電池から供給するため、電源を確保するための工事が不要になる。LTE通信を使うためネットワークの敷設も必要ない。

図1:「燃料電池型監視カメラソリューション」の構成

 燃料電池にはメタノールを使用し、最大容量が20リットルと40リットルの2種類を用意する。40リットルの燃料電池は、ライブ動画を毎日30分参照し、サムネイルを毎時取得した場合で、最大8カ月の連続稼働ができるという。IPカメラには、AXISやVIVOTEK、パナソニックなどの製品を利用できる。

 エッジゲートウェイの提供や映像取得用アプリケーション、カメラ制御システムは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)技術を使ったサービスを手掛けるアムニモが開発した。販売や組み立て・設置、サポートはトーノーセキュリティが担当する。

 アムニモによると、監視カメラを用いた遠隔監視は近年、防犯・警備の用途に加え、道路や鉄道などの安全確保や、河川や土砂災害の監視などの防災分野でも普及してきている。電源確保が困難な環境では、ソーラーパネルを使った発電システムが使われるケースが多いが、線状降水帯など長期間雨が降り続けると想定する発電量を得られず動画配信が難しい。