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建設機械を対象にしたテレマティクスサービス、EARTHBRAINが開発し東京海上日動の保険特約に

佐久間 太郎(DIGITAL X 編集部)
2022年5月17日

建設機械の稼働データを収集・可視化するサービスを、コマツらが出資し建設業界向けIoT(Internet of Things:モノのインターネット)プラットフォームを運営するEARTHBRAINが開発した。建機の効率的な活用や事故抑制に生かせる仕組みとして、建機用保険の特約として提供する。2022年4月5日に発表した。

 建設業界向けIoT(Internet of Things:モノのインターネット)プラットフォームを運営するEARTHBRAINが開発したのは、前方カメラ付きレコーダーを建機に後付けし、建設機械の稼働状況を示すデータを収集・可視化するための仕組み(図1)。東京海上日動が提供する建機向け保険「建設機械に生じた物的損傷等を補償する動産総合保険」の特約(建設機械用レコーダー端末等に関する特約条項)を付帯する顧客に販売する。

図1:端末情報をランドログプラットフォームに格納し、管理者はビューワーから日々の稼働状況を閲覧できる

 対象となる建設機械としては主に油圧ショベルの「バックホウ」を想定する。1日の作業内容や稼働位置などを管理者が確認することで、作業の効率化や労働状況の改善に役立てられるという。前方カメラを備えたレコーダーは東京海上日動およびパイオニアと共同で新たに開発した。データを地図やグラフの形式で可視化するための専用の可視化ツール「Landlog Viewer」も開発した(図2)。

図2:機械個別の作業時間を正確に数値化、また作業範囲を地図上にマッピングする

 建機の速度や加速度などのセンサーデータは、EARTHBRAINのIoTプラットフォーム「ランドログプラットフォーム」に蓄積する。独自の機械学習モデルで分析することで、建機の挙動を継続して観測できる。長時間作業へのアラートを発するほか、事故が発生した際は、レコーダー内蔵のSDカードに録画した画像データを使って当時の状況を確認ができる。センサーデータはCSV形式で取り出せる。

 ランドログプラットフォームは、建機の動きのほか、建設現場における施工管理情報なども統合・管理する。2021年7月に設立されたEARTHBRAINが旧ランドログのプラットフォーム運営事業を継承し「LANDLOG Company事業」として運営している。

 EARTHBRAINによれば、建設業界では、技術労働者の減少と高齢化、インフラ老朽化による公共工事の増加が課題になっている。