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IoTシステムを構築・運用するためのクラウド基盤サービス、さくらインターネットが提供

DIGITAL X 編集部
2022年6月8日

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを構築・運用するためのクラウド基盤サービスを、さくらインターネットが2022年3月24日に開始した。IoTシステムの構築に必要な機能と開発環境を提供し、開発・運用の負荷軽減やコスト削減などにつなげる。同日に発表した。

 さくらインターネットの「さくらのモノプラットフォーム」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを構築・運用するためのクラウド基盤サービス(図1)。IoTに必要な機能と開発環境を提供するPaaS(Platform as a Service)として提供する。

図1:「さくらのモノプラットフォーム」の概要

 さくらのモノプラットフォームが提供するのは、(1)IoTシステムの構築に必要な機能を提供するプラットフォーム、(2)デバイスやアプリケーションを開発するための設計情報、(3)デバイスとプラットフォームを接続するための通信回線の3つだ。企業は構築したいシステムに合わせて必要な機能を必要な分だけ選択できる。

 プラットフォームは、IoTデバイスの管理やデータの中継などに必要な基本機能を提供する(図2)。ブラウザー上のコントロールパネルやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)から操作でき、開発およびデバイス管理の負荷を軽減するとともに拡張性を担保する。オプションで、外部と接続するためのサービスアダプターやファイル送受信の機能も用意する。

図2:プラとフォーム機能は、IoTデバイスの登録や認証、編成、監視などを可能にする

 設計情報は、IoTのデバイスやアプリケーションのサンプル群。開発時に参考にすれば、設計や実装の省力化が図れるとする。米MIT(マサチューセッツ工科大学)のライセンスのもとで公開し、利用企業が商用利用も含めて複製・変更・掲載・頒布できる。

 ハードウェア面では、IoTデバイスの電気設計に利用できるサンプル基板一式を開発キットとして提供する。ソフトウェア面では、デバイスの組み込みソフトウェアやクラウドアプリケーションの設計に利用できるソースコードのサンプル集をSDK(ソフトウェア開発キット)として提供する。

 通信回線としては、モバイル回線(LTE)のSIMカードを提供する「さくらのセキュアモバイルコネクト」が利用できる。IoTデバイスからクラウドサービスに閉域網で接続する。1枚のSIMでNTTドコモ、KDDI、SoftBankの通信に対応するほか、通信量利用制限による通信速度制限がかかることがない。将来的には、他の通信回線にも対応する予定だ。

 任意のデバイスを選択できるため特定のハードウェアに縛られず、通信モジュールなどのディスコン(製造終了)に伴う設計変更の影響を軽減できるとする。また、IoTデバイスやアプリケーションの増加に対応するための基盤の増強は同社が行うため、保守の負荷を軽減できるとしている。

 さくらのモノプラットフォームの利用料金は、初期費用は無料で、月額基本料金が1デバイス当たり220円(税込、以下同)である。最低利用台数や最低期間はない。

 通信料金は別途必要で、さくらのセキュアモバイルコネクトの場合、初期費用が2200円、月額基本料がSIMあたり13円、データ通信料が1メガバイトあたり6円から。サービスアダプターやファイル送受信のオプション料金は別途かかる。

 料金はデバイスごとの利用実績を基に請求される。利用実績がない月は課金されない。在庫時の課金停止などの管理を簡素化できるとしている。