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製造業がデジタルツインを現場で活用するための製品群、DTSが発売
製造業の現場でデジタルツインを構築・活用するための製品群をITベンダーのDTSが2022年11月1日に発売した。汎用的なデジタルツインの構築・分析システムに、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)データなどを扱うためのシステムを組み合わせて提供する。2022年10月3日に発表した。
ITベンダーのDTSが発売したのは、製造業における現場でのデータ活用を可能にする「Pasteriot.mi」。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)や生産管理のデータを連携し、生産計画の立案・実行を最適化する(図1)。生産の進捗や予実把の握、生産計画や不良生産計画の補正・改善、工場の実績データや生産計画・指図データの分析などができる。
ほかにも、生産状況を可視化するための分析テンプレートや、IoT機器やPLC(Programmable Logic Controller)からの設備データを取得するためのデータ入力インタフェース、生産実績を登録するためのスマートフォン/タブレット用アプリケーションなども提供する。
Pasteriot.miの利用では、同日に発売したデジタルツインの構築・分析システム「Geminiot」をコア機能に利用する。デジタルツイン上で業務や、そのKPI(重要業績評価指標)を分析するためのAI(人工知能)モデルと、分析結果を可視化するためのダッシュボードを自動で生成する。
自動生成により、従来のBI(ビジネスインテリジェンス)環境と比べ、データの収集・加工から統計的処理や可視化の仕組みの開発が不要になる。その分、時間とコストを削減できるとしている。
Pasteriot.mi/Geminiotは、製造業向け製品群「DTS DataManagement Solution(DTS DMS)」の構成要素になる。DTS DMSとしてはこれまでに、データ分析用クラウド「Snowflake」(米Snowflake製)と、工場向けIoT製品「稼働アップNavi Pro」(ジェイテクト製)、生産管理パッケージ「mcframe」(ビジネスエンジニアリング製)を提供してきた(図2)。これらシステムとのデータ連携を図るため、Geminiotは、ETL(データ抽出/変換/格納)機能も用意する。
DTSによれば、生産現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みは、実効性と、その投資に見合った効果が伴わず進みづらい。課題としては、IoTによる生産状況の可視化だけではシステム化の効果を説明できない、生産管理システムを使ったカイゼンでは実績データをリアルタイムに収集できないなどがある。