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社外のデータセットを組み合わせる共創を、米Snowflake日本法人が支援を強化
他社が持つデータを組み合わせて分析する「データコラボレーション」に向けた取り組みを、データレイクのためのデータ基盤を開発・販売する米Snowflakeの日本法人が強化している。同社のクラウド型データ基盤を使用する企業間でのデータ共有を促す。データを共有するためのマーケットプレイスも整備する。同社のビジネス戦略として2023年5月30日に発表した。
「他社やエコシステムが持つデータを活用することで、新しいインサイト(洞察)をビジネスや商品開発に生かそうとする動きが広まっている」−−。米Snowflake日本法人の社長執行役員の東條 英俊 氏は、こう話す(写真1)。「外部データを自社データと組み合わせることで、事業計画や意思決定のスピードを高められる」(同)からだという。
複数のデータセットを組み合わせた活用方法を同社は「データコラボレーション」と呼ぶ。そのための機能の1つとして提供するのが、データ共有機能「Snowflake Secure Data Share」だ。同社のクラウド型データ基盤レイク「Snowflake」を利用する企業間で、データ連携機能を提供するETL(Extract Transform Load:収集/変換/加工)ツールを使い、データを移動・コピーすることなく、リアルタイムな共有を可能にする。
Secure Data Shareの活用例として、実店舗への来店客管理基盤「Store360」を提供するTangerineと、オンラインでの販促管理基盤を提供するBrazeのデータ連携を挙げる。実店舗を来店した顧客の分析にオンラインでの販促効果を反映することで、オン=オフを組み合わせた顧客分析や販促策の立案が可能になるという(図1)。
他にも小売り・流通業界では、BtoC(企業対個人)領域を中心に、来店履歴や施策結果を、CDP(Customer Data Platform:顧客データ基盤)やCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)、MA(マーケティングオートメーション)などのデータ基盤に結び付ける動きが強まっているとする。
こうした背景には、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)や5G(第5世代移動通信システム)などの技術が発達し、さまざまなタイプのデータを大量に収集できるようになったことがある。
加えて最近は、個人情報保護法の改正といった法整備や、サイトの訪問履歴を判別する際の「サードパーティークッキー」の規制、生成AIのような新しいテクノロジーの導入などを受け、「データをビジネスに活用する際に、安全かつ簡単に共有できるかの議論が高まっている」(東條氏)
社内外でのデータの受け渡しは従来、FTP(File Transfer Protocol)を使ったデータのコピーが主流だった。だが東條氏は、「FTPではデータ連携に時間やコストがかかる。同じデータ基盤の利用者間であれば素早く・安価にデータを共有できる」と説明する。
データ共有を容易にするためにデータの共有・売買機能を提供する「Snowflake マーケットプレイス」も整備する。アップロードされている種々のデータを、外部データとして購入し自社利用ができる。2023年4月30日時点では、日本国内で14社35種のデータセットがアップロードされている。「人流や地図、金融、商品・店舗マスター、天気などのデータに需要が高まっている」(東條氏)という。