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バイタルデータからに心身の状態を指標化するサービス、NTTPCが開始

DIGITAL X 編集部
2023年10月24日

バイタルデータを元に心身の状態を指標化するサービスを、NTTPCコミュニケーションズが2023年10月10日に開始した。従業員によるセルフケアに加え、組織単位で活動状況を把握することで職場の環境改善と活性化につなげられるという。2023年10月5日に発表した。

 NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)の「健康経営支援サービス」は、バイタルデータから心的ストレス状態を算出することで心身の状態を指標化する(図1)。従業員がセルフケアに利用できるほか、組織単位で活動状況を把握すれば職場の環境改善や活性化に利用できるという。バイタルデータはリストバンド型センサーを使って収集する。

図1:NTTPCコミュニケーションズの「健康経営支援サービス」のイメージ

 健康経営支援サービスでは、まず従業員個人の心的ストレス状態をバイタルデータから算出する。「いつもの心的状態」を算定したうえで、現在の状態との違いを(1)集中状態、(2)疲労・不安、(3)安定・寛容、(4)燃え尽きの4段階で可視化する。
 従業員は、無自覚だった体調や疲れの傾向に気づくことで、自身に適した時間や場所、仕事の内容を認識でき、自らに最適なペースで働けるとしている。

 個人の心的状態から組織ごとの状態を数値化する。組織のリスク度や、やる気などを示す活性度の変化や傾向を把握し、そこから課題のある組織・環境の特定もできる。この際、個々人のバイタルデータの分析結果は、プライバシーに配慮し、組織や上長には開示されない。本人が希望すれば個人の分析結果を元にした支援にも利用できる。

 健康経営支援サービスの開始に先立ちNTTPCは、自社での実証実験を2023年6月23日~8月22日にかけて291人を対象に実施した。部門のリスク度・活性度から得られた課題に基づき、1on1ミーティングやチーム対話会などを実施した。対策を講じた部門ではリスク度が24ポイント改善し、活性度は23ポイント向上したという。

 NTTPCによれば、リモートワークの普及により、メンタル不調者の増加や従業員エンゲージメント低下などが起こっている。それらの予兆や恐れなどを把握できないと職場の活性度が下がり、生産性の低下や離職者の増加といった悪影響が発生するケースもある。