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三菱電機、鉄道の運行情報などを提供するアプリケーションの開発・実行環境を開発

DIGITAL X 編集部
2023年11月14日

三菱電機は、鉄道の運行情報などを利用した旅客サービスを提供するアプリケーションの開発・実行環境を開発し、2024年1月から提供を開始する。鉄道車両内にビーコンを設置し、乗客が持つスマートデバイスに、列車の行先や走行位置、乗車位置(号車)といった情報を提供できるようにする。2023年10月17日に発表した。

 三菱電機の「Train Connect(トレインコネクト)」は、鉄道事業者やアプリケーション開発ベンダーが、鉄道に関する情報を乗客に提供するためのアプリケーションを開発・実行するための基盤(図1)。鉄道の運行管理システムが持つ種々の情報を、乗客が持つスマートフォンやタブレット、スマートウォッチなどに対し提供できるようにする。乗客は、Train Connect対応アプリを自身のスマートデバイスにインストールし各種情報を受信・利用する。

図1:三菱電機が開発した鉄道向け情報提供プラットフォーム「Train Connect」の概要

 情報を配信するために、ビーコン装置を新規開発した。同社が提供する「列車統合管理システム」や、鉄道車両向けデジタルサイネージ「トレインビジョン」の技術を応用しており、トレインビジョンと同等の次駅案内や走行位置を配信できる。鉄道事業者や車両形式によって異なる情報を統一フォーマットに変換し、列車固有情報として提供する。

 乗車している列車や乗車位置(号車)を特定できるため、列車内での忘れ物に気づいたら速やかに照会したり、車内で不審者・不審物を発見した際に即座に乗務員に通報したりする機能なども開発できる。

 列車固有情報は、ほかにも多用途に利用できる。例えば、走行位置情報を使って次の停車駅で開催されているイベント情報や、列車の行先と種別(普通・急行など)に応じた正確な乗り換え情報、ダイヤ乱れによる行先変更に追従した経路情報などが提供可能になるという。

 三菱電機によれば、鉄道事業者は近年、運行情報や走行位置情報などを表示するサービスを提供している。一方でMaaS(Mobility as a Service)の実現・普及に向けた取り組みが進む中、運行状況の変化に応じた情報提供や利用者一人ひとりのニーズに合わせた案内・誘導など、列車情報と連携した新たなサービスが期待されている。同社は今後、Train Connectの提案・普及によりMaaSの推進に貢献したいとしている。