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水道工事に伴う書類を自動で作成するシステム、クボタが日本IBMと開発

DIGITAL X 編集部
2023年12月12日

水道工事に伴う報告書を自動で作成するためのシステムを農機メーカーのクボタが日本IBMと共同開発し販売している。専門家でなくても必要な文書を作成できるようにすることで、省力化・省人化が図れるという。2023年10月16日に発表した。

 農業機械メーカーであるクボタの「PIPROFESSOR(パイプロフェッサー)」は、水道工事に伴う工程表や工事写真台帳、工事日報などの報告書類を自動で作成するためのシステム(図1)。設計業務の経験が浅い事業者でも熟練者のように設計でき、各業務における書類作成負担を軽減できるという。設計・施工一括発注方式(DB方式)への対応力も強化できるとしている。

図1:「PIPROFESSOR(パイプロフェッサー)」の構成イメージ

 PIPROFESSORは、(1)自動配管設計支援システム「PIPE-Pro」と、(2)施工工程を算出する「施工計画システム」、(3)スマートフォン用施工管理システム「施工情報システムⅡ」、および(4)報告書類を作成する「提出書類作成支援システム」からなっている。

 4つのアプリケーションでデータを連携することで、工事関係書類を作成する。例えば、設計変更が生じた場合、施工データを自動で反映して工程表や管路図を再作成できる。従来は、各業務用のアプリケーションにデータを再入力する必要があり作業負担が大きかった。

 クボタによれば、法定耐用年数の40年を超えた水道管路の割合が約2割あり、水道管路の老朽化が進行すると、水道管の破損による漏水や断水などライフラインに影響が生じるリスクが高まっていく。しかし、水道事業体の多くが財政難や職員不足の状態にある。工事業者の側にも人手不足や技能継承の課題があるなか、水道工事は公共事業のため、多くの書類を作成する必要があり、同業務の自動化や効率化が期待されている。

 PIPROFESSORは日本IBMと共同で開発した。月額または年額制の定額課金(サブスクリプション)形式で提供する。