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回転機器の故障を予知し対処案を通知するサービス、三井情報が発売
製造現場に導入されている設備機器のうち回転機構を持つ機器の状態から故障を予知し、対処案を提示するサービスを、システムインテグレーターの三井情報(MKI)が開始した。検知後、早期に対処案を提示することで、設備停止に伴う損失を最小にできるという。2024年4月1日に発表した。
三井情報(MKI)が2024年4月に発売した「AssetWatch(アセットウォッチ)」は、プロペラやコンプレッサー、コンベアなどの回転機構を持つ設備を対象にした故障予兆の検知サービス(図1)。設備の振動と温度のデータから故障リスクを判定すると同時に、待機する専門家が対処案を提案するのが特徴。必要な対処が欠落するリスクを最小にすると同時に、常時監視に要する人員を削減し保守・保全コストの最適化を図れるとする。
故障の予兆検知では、対象設備にマグネット式のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)センサーを設置し、一定間隔で振動データと温度データを収集しクラウドに送信する。振動データは周波数解析し、その結果を機械学習することで、機器ごとの故障リスクに優先度をつける。
データは、振動解析に知見を持つ専門家であるCME(Condition Monitoring Engineer:状態監視エンジニア)が分析し、故障の原因を判断し、その対処案と共に現場の担当者に通知する。
故障の予兆は、実際に故障が起こる前の数週間から数ヵ月の間に検知できるとしている。予兆を検知できても設備が停止するまでに時間的な猶予がなければ、生産計画の調整や保守部品の調達などが間に合わず、再稼働までの損失が拡大することがあった。
AssetWatchは、米AssetWatchが開発・提供するサービス。日本での販売に先立ち国内5社でトライアル導入を実施済みだという。三井情報によれば、製造業を中心に設備の経年劣化が進み、安定稼働が課題になっている。
AssetWatchの利用体系は、取り付けるセンサーの数に応じた月額定額課金(サブスクリプション)制。別途、導入時の初期作業費がかかる。