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フィールドエンジニアの活動をAIで支援するサービス、米Salesforceが提供開始

DIGITAL X 編集部
2024年4月25日

米セールスフォースは、フィールドエンジニアの業務をAI(人工知能)技術を使って支援するサービスの提供を開始した。日本でも、日本語に起因するサービス以外は提供する。顧客対応時の初回完了率を高めることで収益拡大につなげるという。2024年4月10日(現地時間)に発表した。

 米セールスフォースの「Einstein 1 Field Service Edition」は、フィールドエンジニアの業務をAI(人工知能)技術を使って支援するためのサービス。顧客からの保守の申し込みから完了までにフィールドエンジニアが実施すべき業務を支援することで、初回訪問時での保守対応完了率を高め、企業としての収益拡大につなげるという。

 Einstein 1 Field Service Editionの基本は、保守業務に関する各種情報の一元管理と、案件単位での情報の共有だ。顧客情報や保守対象の資産情報、製品マニュアル、過去の訪問履歴などを、Salesforceのデータ管理クラウド「Data Cloud」で一元管理したうえで、同社製のビジネスチャットツール「Slack」から参照する。

 組織が持つ知見を集約し、遠隔地からでも必要な知識や重要なデータを参照可能にすることで、フィールドエンジニアの迅速な行動を促し、初回訪問での保守作業の完了率の向上を図る。そのためにフィールドエンジニアの業務に合わせた3つの機能を提供する。

Appointment Assistant :フィールドエンジニアによる保守サービス実施のためのアポイント取得を支援する。フィールドエンジニアの現在位置を顧客と共有でき、緊急時などは担当のフィールドエンジニアと顧客が直接連絡ができる。

Visual Remote Assistant :ビデオによる遠隔支援機能を提供し、フィールドエンジニアが遠隔地から、顧客と相談したり対象機器の問題箇所を確認したりできるようにする。

Einstein Copilot for Mobile Workers :フィールドエンジニアのためのアシスタント機能。現地での作業内容の要約を生成し、顧客とも共有する。生成AI(人工知能)技術を使った「Einstein Copilot」の機能を使って実現しており、海外では、質問への回答や、作業の事前ブリーフィングなど現場で起こるタスクの自動化にも対応する。

 セールスフォースが実施した調査『第5回 カスタマーサービス最新事情』によれば、生産性の高いフィールドサービス組織ほどAI技術の活用の意欲が高く、78%が「チームの迅速なオンボーディングとスキルアップ」「サービス時間の削減」「初回修理率の向上」に対しAI技術を活用し生産性と利益率を高めたいと考えている。