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日本企業の8割弱が生成AIがビジネス価値を高めると期待、米Alteryxの調査

DIGITAL X 編集部
2024年5月24日

「日本企業の77%が『生成AIはビジネス価値を高める』と期待する一方で、一般消費者の37%は、その価値に懐疑的」−−こんな調査結果を、データ分析基盤ベンダーの米Alteryx(アルテリックス)の日本法人が2024年5月21日に発表した。

 米Alteryx(アルテリックス)の『Market Research: Attitudes and Adoption of Generative AI(生成AIに対する考え方と受容に関する市場調査)』は、生成AI(人工知能)技術に対する認識と心情に関する調査結果(米国でのリリース)。世界11カ国でデータ活用に携わる企業の意思決定者2000人と一般消費者3000人を対象に米調査会社のColeman Parkesが実施したものをまとめた。対象には、日本を含むアジア太平洋地域(APAC)のITビジネスリーダー400人と消費者600人が含まれる。

 日本法人は、同レポートから日本からの回答結果について発表した。そこでは、日本企業の77%が「生成AIはビジネス価値を高める」と回答し、利用シーンとしては38%が「データ分析」とした。生成AIを利用すべきでない分野としては49%が「重要な意思決定」を挙げる。63%は「生成AIのハルシネーション(誤った回答を生成すること)がAIに対する全体的な信頼度を低下させる」と考えている。

 過去1年間に企業が生成AIを用いた試験的プロジェクトの数は平均3件で、80%が「プロジェクトは成功した」としている。企業の41%は「AIを利用する上での倫理ガイドラインを整備している」とし、APAC平均の39%を上回る。「今後2~3年の間に生成AIが既存の職務に取って代わる可能性が高い」とする企業が68%に上る。

 一方で、AIの利用拡大における課題では「セキュリティの懸念」(41%)、「コスト管理」(39%)、「アウトプットの品質と信頼性」(37%)が上位を占めた。企業の31%は「スキルを持った人材不足が全社的な生成AIの利用拡大を妨げている」とする。ただし生成AIを利用している企業の16%は「AIのトレーニングを必須にしていない」という。

 「今後も生成AI技術への投資を増やす予定である」とする企業は56%と半数を超えるものの、APAC平均の63%よりは低い。企業の49%が「生成AIで誤った情報が作成されたことがある」とし、39%が「生成AIで作成された情報には著作権や知的財産権を侵害する内容が含まれたことがある」した。

 こうした企業の見方に対し、一般消費者の37%は生成AIの価値に懐疑的で、33%が「生成AIの将来性に懸念がある」とした。利用シーンとしては60%が「情報検索」とした。「生成AIを利用すべきでない分野」としては57%が「倫理的な意思決定」を挙げた。「生成AIのハルシネーションがAIに対する全体的な信頼度を低下させる」との声も79%と強い。

 ただ消費者の85%は「生成AIを利用したコンテンツの作成が増えることをポジティブに捉えている」とし、「生成AIを利用したコンテンツの作成が増えることをポジティブに捉えているものの規制が必要である」との回答は53%だった。「生成AIが雇用の喪失につながる」と考えている消費者は35%にとどまる。

 また消費者の40%は「生成AIによって深刻なフェイクニュースを簡単に作れてしまう」ことを懸念しており、39%は「生成AIがフェイクニュースを増加させる恐れがある」とした。実際、消費者の46%が「生成AIで誤った情報が作成されたことがある」とし、そのうち52%が「生成AIで作成した情報が正しくないこと」に気付き、48%が「最新の情報ではないことに気付いた」としている。