• News
  • サービス

現場作業員がIoTデータなどを呼び出すための生成AI使ったチャット型インタフェース、米MODEが提供開始

DIGITAL X 編集部
2024年5月31日

現場作業員が設備保全時などにIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データなどを自然言語で呼び出るためのチャット型インタフェースを、IoT基盤サービスなどを手掛ける米MODEが2024年5月1日に提供を開始した。生成AI(人工知能)技術を使い、PC操作が難しいような現場でも最新状況を示すデータを閲覧可能にしたことで、現場作業の効率化を図れるという。2024年4月24日に発表した。

 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤の「BizStack」を提供する米MODEの「BizStack Assistant」は、工場や建設現場などの作業員がIoTデータを自然言語を使って参照できるようにするためのチャット型インタフェース(図1)。企業向けチャットツール「Slack」(米Salesforce製)などを経由して使用できる。

図1:「BizStack Assistant」を利用イメージ。自然言語で、機器の温度や消費電力などのIoTデータを取り出したり(左)、機器の修理方法を参照したりができる

 BizStack Assistantは、生成AI(人工知能)技術を使うことで、自然言語を使った必要な情報の検索・参照を可能にする。BizStackが管理するデータは、PC上で動作するダッシュボードを使って参照する。

 そこにBizStack Assistantを使えば、設備点検や保全作業に当たる担当者はPCがある事務所などに立ち寄らなくても、携帯するスマホからテキストによる質問形式で、温度などのIoTデータを参照したり、参照結果をグラフ表示したりができる。保守作業に必要な設備マニュアルなども取り出せる。

 2023年11月1日からベータ版を提供してきたものを、正式版として2024年5月1日に提供を開始した。既にパナソニックが環境エネルギー事業での顧客提案に、西松建設が山岳トンネル工事現場での点検に、それぞれ利用しているという。

 パナソニックの例では、実証施設にある自家発電システムの稼働データと、担当者個人のナレッジを含む文書データを取り出すことで、属人的な営業活動では顧客の理解を得にくかった非財務的価値を提案できるようになったとしている。

 西松建設の例では、山岳トンネルの工事現場でIoTを使ってモニタリングしているセンサーデータを、現場監督者がスマホから設備の稼働状況をリアルタイムに確認しているという。