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自動車開発のためのセンサーデータの遠隔計測ソリューション、共和電業とアプトポッドが開発

DIGITAL X 編集部
2024年9月2日

自動車の開発に必要なセンサーデータを取得するための計測ソリューションを、ひずみゲージなどを持つ共和電業と、産業向けIoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤を提供するアプトポッドが協業により開発し提供を始めている。2024年7月16日に発表した。

 共和産業は、ひずみゲージを日本で初めて開発したメーカー。ひずみや電圧など各種センサーのほかデータロガーシステムを提供している。一方のアプトポッドは、センサーデータをより遅延なく収集・計測するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤を開発・提供している。

 このほど両者は、それぞれが持つ知見と製品/サービスを持ち寄り、自動車の開発時に必要な各種データを遠隔で取得するための計測ソリューションを開発し、提供を開始した(図1)。共和電業の計測技術とアプトポッドの高速IoT技術を組み合わせることで、クラウドを利用した遠隔化とデジタルツイン連携を可能にしたという。

図1:共和電業とアプトポッドが共同開発した自動車開発のためのセンサーデータの遠隔計測ソリューションの概要

 用途として自動車開発の試験プロセスなどを想定する。計測データを元にデジタルツインを構築し、XiLs(X In the Loop Simulation)などの制御システム開発を支援する。従来のオフラインでの計測に比べ、試験データをリアルタイムに入手できるため、時間短縮や工数圧縮が図れるとしている。

 今後、共和電業は自動車の試験分野以外への遠隔での計測・監視ソリューションの提供を目指す。アプトポッドは、より精度の高いモデルベース開発環境の実現や高品質なデータ収集による機械学習や深層学習を用いたクラウドネイティブ技術の開発を加速したい考えだ。

 両者によれば、自動車業界はCASE(Connected:コネクテッド、Autonomous:自動化、Shared:シェアリング、Electric:電動化)対応による変革期にあり、新興メーカーの急激な出現や台頭による製品力や開発競争力の強化が急務になっている。加えて、SDV(Software Defined Vehicle)が主流になる今後に向けて、車両開発のワークフローも大きな変革を求められている。