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産業領域ではデジタルツインの導入済みか検討中が7割弱、IDC Japanの調査

DIGITAL X 編集部
2024年9月27日

「産業領域ではデジタル化に取り組む企業の69.1%がデジタルツインを導入済み、または検討中」−−。こんな調査結果を調査会社のIDC Japanが2024年8月22日に発表した。デジタルツインの認知度が高まっていることが分かる。

 IDC Japanは、日本企業のデジタルエンジニアリングへの取り組み状況などを調査し、『2024年 デジタルエンジニアリング市場 企業ユーザー調査』を発行している。同調査でデジタルツインの認知度なども問うている。

 同調査によれば、産業領域のデジタル化に取り組む企業の69.1%がデジタルツインを「すでに導入している」または「導入を検討している」と回答した。回答者本人がデジタルツインについて「概要以上を理解している」とした回答は76.6%に上る。

 OT(Operational Technology:制御技術)関連のデジタルツインをすでに導入または導入を検討している企業において、その対象とする物理環境としては、「複雑な製品や機械」が37.5%で最も多かった(図1)。2位は「工場のライン、作業員の動作など」の33.3%、3位は「ビル、施設など」と「人流、交通流など」が26.4%で並んだ。

図1:デジタルツイン構築の対象となる物理環境(出所:『2024年 デジタルエンジニアリング市場 企業ユーザー調査』

 IDC Japan Software & Services リサーチマネージャーの小野 陽子 氏は今回の結果について、「デジタルツインの導入が検討されるのは、対象となる物理環境が複雑で運用や制御に人手やコストがかかっている分野、より高いレベルの最適化が求められる分野、顧客満足度や品質、安全性の向上が期待されている分野などが多く、そうした企業の意識を反映している」とする。

 デジタルツインは、物理環境を示すデータを取得し、サイバー空間に再現したもの。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術の進展や、3D(3次元)データや、AI(人工知能)、AR(Argument Reality:拡張現実)/VR(Virtual Reality:仮想現実)などのデジタル技術の活用により、さまざまな物理環境のデジタルツイン構築が可能になってきている。