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ビジネスリーダーの77%が「AIによる配置転換が起きる」と予想、英国規格協会の調査
「ビジネスリーダーの9割弱がAI(人工知能)技術のよりオフィス業務の一部が変化すると考えている」--。こんな調査結果を英国規格協会(BSI)が2024年10月12日(現地時間)には発表した。世界9カ国のビジネスリーダーを対象に実施した調査結果によるもので、「8割弱は配置転換が起きる」とも予測している。
英国規格協会(BSI)が発表した『共に進化する:AI人材の活躍(Evolving Together: Flourishing in the AI Workforce)』は、「AI(人工知能)成熟度」に関する調査結果をまとめたレポート。世界9カ国(オーストラリア、中国、フランス、ドイツ、インド、日本、オランダ、英国、米国)のビジネスリーダー932人が回答している。
同レポートによれば、回答者の89%が「AIによって一部のオフィス業務が変化する」とした(図1)。また77%は「AIによる配置転換が起きる」と予想する。その背景には「AIツールが生産性にポジティブな影響を与える」という楽観的な見方の広がりがある。
具体的には、72%が「AIツールの導入によって、いくつかの業務が変化または消滅するとしても、AIを前向きに活用すべきである」とし、65%は、「イノベーションが既存の業務を守ることよりも重要である」と回答している。
さらに76%の企業は「AIへの取り組み不足が競争上のデメリットになる」と認識するなど、AIをリスクよりも機会と捉える傾向が強い。だが国別にみると、日本の38%、フランスの35%、イギリスの34%は「AIは個々の従業員にとって機会よりもリスクの方が大きい」とみている。
回答者の半数を超える55%が、「今後5年以内に生産性と効率性を向上させるためにAIが利用される」と予想する。同予想は、日本では53%、中国では64%、インドでは65%にまで高まる。
AI技術を適用する業務について、経営、職務再設計、トレーニング、採用についての見通しも聞いている。世界全体では67%が、採用プロセスのサポートにAIツールを使用しているとした。しかし「人事部門がAIの影響を最も受ける」と予想すると回答は39%で、影響を受けるとは、あまり考えられていない。
一方で、74%が「AIツールを管理するスキルがなければ、キャリアアップに悪影響を及ぼす」とした。ただし日本では49%に下がる。また85%が「AIを使用した経験のあるメンバーが経験の浅い同僚をサポートするシステム」を支持している。
既に76%が何らかのトレーニングを提供しているものの、AIツールを安全で倫理的・効果的に使う方法やリスク管理を指導するために「専門家による公式トレーニングまたは社内リソースなどの専門家以外による非公式のトレーニングを提供している」との回答は3分の1にとどまった。
ただ78%は、「従業員のAIに対する信頼を高めるために、企業はもっと努力すべきだ」としている。包括的なトレーニングを提供している割合は、中国が94%、インドは90%なのに対し、英国は59%、日本は52%だった。英国では、17%がAIに関するトレーニングを全く提供していない。
「取締役会レベルの優先事項としてAIを導入している」との回答は30%だった。「CAIO(Chief AI Officer:最高AI責任者)または、それに相当する役職を設けている」との回答は17%、「AIに関する公式の戦略が存在していない」とする回答も24%あった。
こうした調査結果を受けて、ビジネスリーダーがAI技術に対する信頼を築くために自社のエコシステムと社会全体でどのような行動をとるべきかについて、重要なポイントを表1のようにまとめている。
ポイント | 概要 |
---|---|
(1)パフォーマンス管理におけるAI | AIを活用してパフォーマンス管理を強化し、人間の洞察力、感情的知性、批判的思考と組み合わせながら組織文化を高める |
(2)多様性、インクルージョン、採用 | AIを活用してより多様な人材を確保する一方で、組織の持つ文化も変化に対応して発展していくようにする |
(3)仕事のデザイン | 柔軟性を高め、生産性を向上させるために、AIがどのように仕事の再設計を支援できるかを検討する |
(4)トレーニング | 継続的なAIトレーニングの実施を優先する一方で、それだけでは能力を保証できないことを認識する |
(5)コーポレートガバナンスと信頼 | AI活用のあらゆる段階で従業員を巻き込み、信頼を築く |