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明治安田生命、健康診断書の読み取りにAI-OCRを利用
2024年11月21日
明治安田生命保険は、保険業務における健康診断書の読み取りにAI-OCR(人工知能技術を使った光学文字認識)を導入した。これまでに診療明細書や調剤明細書をAI-OCRで読み取ってきたが、その適用範囲を拡大した。AI-OCRを提供するシナモンが2024年11月13日に発表した。
保険業務では、医療機関が発行する種々の書類を日常的に取り扱っている。明治安田生命保険は、記載情報をシステムに入力するためにAI-OCR(人工知能技術を使った光学文字認識)を利用する。膨大な書類から専門的な内容を正確に入力するには、多くの人手がかかるうえに属人化しやすく、コストもかかるためだ。
これまでに診療明細書と調剤明細書に適用してきた。それを2024年11月からは健康診断書の読み取りにも適用している(図1)。書類1枚当たりの平均読み取り速度は約3秒で、手作業によるデータ入力業務を大幅に軽減できるとする。
健康診断書への適用に当たり、AI-OCRはチューニングした。発行医療機関ごとに異なるフォーマットの健康診断書を高精度で素早く読み取るためだ。結果、読み取り精度は、健康診断書に頻出する91項目に対する項目単位精度平均は89.06%、重点項目である26項目では同90.69%だとしている。
スマートフォンなどのカメラで撮影された画像データにも対応する。そうした画像は、撮影時の手振れや影、書類の傾きなどにより読み取り品質にばらつきが出やすいという。
AI-OCRには、AI技術を手掛けるシナモンの「Flax Scanner」を採用している。種々のフォーマットの書類を事前の座標定義なしに読み取れる「特徴量学習型」で、かつ業界固有の専門用語や図面などを学習しているという。
企業/組織名 | 明治安田生命保険 |
業種 | 金融・保険 |
地域 | 東京都千代田区(本社) |
課題 | 保険業務で扱う医療機関が発行する種々の書類のデータ入力に工数やコストがかかる |
解決の仕組み | AI-OCRを使って自動で読み取る |
推進母体/体制 | 明治安田生命保険、シナモン |
活用しているデータ | 医療機関発行の書類、その撮影画像 |
採用している製品/サービス/技術 | AI-OCRエンジン「Flax Scanner」(シナモン製) |
稼働時期 | 2024年11月(健康診断書への適用開始時期) |