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衛星画像を判読するための解析ツール、Ridge-iが発売
衛星画像を判読するための衛星解析ツールを、AI(人工知能)技術などを開発するRidge-i(リッジアイ)が2024年12月6日に発売した。提供開始すると発表した。専門知識がなくても衛星画像を判読できるという。同日に発表した。
AI(人工知能)技術などを開発するRidge-i(リッジアイ)の「Ridge SAT Image Analyzer(RSIA)」は、衛星画像を目的に合わせて判読するための解析ツール。利用者の入力に応じて、最適な画像分割や画像への前・後処理を選択し自動するなどで、専門知識がなくてもAIモデルを使った判読が可能になるという(図1)。
利用シーンとして、(1)エネルギー政策立案や安全保障のためのソーラーパネルや車両・船舶を検出(物体検出)や、(2)都市計画や農業政策に応用するための都市部や農地、森林といった土地利用の自動分類(土地分類)、(3)環境保護や更新業務の効率化に向けた森林伐採や地図更新、農地の異常検知(変化検出)などを挙げる。
対応する衛星データは、一般的な光学衛星画像のほか、近赤外線やSAR(Synthetic Aperture Radar)画像など。前処理機能により、天候など異なる条件下で撮影された画像間の一貫性を保てるという。
解析のためのAIモデルは、利用者独自のモデルを作成できる。秘匿性が高いデータを使ったモデルを作成したり、データ特性に合わせてモデルを学習・評価したりができるとする。今後は、非画像データとの統合や、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)との連携や、リアルタイムでの解析などを計画する。
ツールは、コンテナ技術により構築されており、クラウドとオンプレミスの両環境で利用できる。拡張性も確保し、小規模から大規模な解析までに対応する。
Ridge-iによれば、衛星画像の解析ニーズは近年、安全保障や都市計画、農業、環境モニタリングなどに広がっている。しかし衛星画像は、季節による植生の変化や時間帯による影の影響などを受けるために、AIや衛星に関する専門知識が求められ解析は難しい。
また衛星画像は、1枚当たりのデータサイズが数ギガバイト以上と大きいうえ、近赤外線など特殊な情報を含むことなどが、画像処理の技術面や効率面の課題になっている。加えて、衛星画像のライセンスはプロバイダーに帰属するケースが多く、解析を外部に依頼しようとすると、さまざまな制約が生じる。